開発した新品種のソバの花を見やる石川さん=19日、福井県鯖江市田村町

 元福井県農業試験場主任研究員の石川武之甫(ぶのほ)さん(73)=福井県鯖江市=が、極早生(ごくわせ)ソバの新品種を開発した。種まきから収穫まで最短45日間で、二期作も可能。農水省への新品種登録申請も検討しており、「鯖江の新たな特産になれば」と意気込んでいる。

 石川さんは在職時、ハナエチゼンの開発に携わるなど品種改良のエキスパート。退職後も自宅のハウスや畑で新品種開発に力を入れ、鯖江の一大ブランドに成長した「さばえ菜花」の開発も手掛けた。

 ソバの新品種開発を始めたのはまだ在職中だった2001年。夏に福井市美山町の休耕田で、通常より早く花を咲かせていた県内在来の早生種(夏ソバ種)を偶然見つけたことで“開発魂”に火が付いた。株を自宅に持ち帰って長野県の晩生(おくて)種(秋ソバ種)と交雑。早くてより多くの実を付けた株を選抜しながら、10年間かけ育成した。

 一般的にソバは種まきから収穫まで55〜90日かかるが、2011年には5月初旬に種をまき、6月中旬に収穫できた。花粉を運ぶシマハナアブの活動が活発になる初夏と秋に栽培でき、時間がかからないことから「さばえ時無しソバ」と名付けた。2012年に農作物の研究者が集う「北陸作物・育種学会」でも成果を発表した。

 昨年に続き、今年も3月25日に鯖江市田村町のほ場で種まきし、今月2日に花を咲かせた。すでに実を付けているものもあり、石川さんは「野菜のハウス栽培の間作としても活用できるのでは」と期待を寄せる。7月に同市豊地区の野菜直売所で試食会を行う予定で「収穫量が一般的な品種に比べて多く、味にも自信がある。さばえ菜花に続く特産になれば」と話している。

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