押収物を運び出しトラックに積み込む捜査員=18日午後10時35分ごろ、福井市内

 福井県警福井署と県警捜査2課は18日、修理を依頼された日本刀を返却しなかったとして、業務上横領の疑いで、福井市の刀剣類販売・修理業勝山智充容疑者(47)を逮捕した。同署によると「事実と違う」と容疑を否認している。

 同署では、同容疑者が修理の依頼を受けて一時、刀を預かり、その後トラブルに発展させて法外な迷惑料やキャンセル料を請求し、支払わなければ刀を返却しないなどといった事案が約30件あるとみている。

 逮捕容疑は2013年5月ごろ、福岡県久留米市の会社社長の男性(65)から、修理のために預かった日本刀1本とさやなど数点(時価約25万円相当)を返却せずに横領した疑い。

 同署によると、同容疑者は修理名目で預かった刀を、期限の同年8月以降も修理を終わらせず、代金の増額を要求。キャンセルの申し出を受け、誹謗中傷するメールを送ったり、迷惑料やキャンセル料を要求したりして刀を返却しなかったらしい。

 このため、被害者は同年10月に久留米簡裁に刀の返却を求め提訴。15年7月に福岡地裁が返却を命じる判決を下し、同年9月に地裁が刀を差し押さえたが模造刀だったという。同年12月に福井署が被害申告を受け捜査していた。

 同容疑者は、インターネットを通じて全国から客を募っていたらしい。福井県内では福井市内の男性が鑑定名目で07年8月に預けた刀の返還を求める民事訴訟を、15年4月に福井地裁に起こしている。

 同署などは18日、店舗などを家宅捜索して刀などを押収した。

 同容疑者の美術刀剣専門店ホームページ(HP)などによると、同店は「創業九十余年を誇る北陸屈指の美術刀剣専門店」で、刀剣類の販売や買い取り、委託販売のほか、鑑定や修理なども行っている。同容疑者は4代目で「刀剣鑑定士」となっている。

関連記事
あわせて読みたい