建て替えか耐震改修するかの方向性が注目されている敦賀市の本庁舎=16日、敦賀市役所

 熊本地震を受け、築41年が経過した福井県敦賀市役所本庁舎の整備方針に注目が集まっている。庁舎は5年前の耐震診断で倒壊の恐れがあると診断されており、市はメリット、デメリットなどをまとめて来年2月までに建て替えか、耐震改修かの方向性を出したい考えだ。

 全国原子力発電所所在市町村協議会の事務局もある敦賀市本庁舎の本館は鉄筋コンクリート地下1階、地上5階建てで8678平方メートル。日本原電敦賀原発1号機の営業開始の4年後の1974年に完成した。市は2011年に各階の南北、東西方向の揺れに対して耐震性を診断。その結果、5階部分の南北の揺れ以外は、すべてで構造耐震指標の目標値を下回り、大規模な地震で「倒壊、または崩壊する可能性が高い」との結論が出た。

 庁舎の耐震性について、これまで市は検討を重ねてきたものの、学校や市立体育館などの耐震化工事が優先されてきた経緯がある。契約管理課など各課による検討会で、昨年から建て替えと耐震改修の両面で検討を重ねている。

 建て替え案では、現庁舎の問題点を把握し新庁舎に加えるべき機能や、職員数などを考慮し大まかな費用を出す考え。建設場所も検討している。一方、耐震改修案は、昨年度までにまとめた工法や改修内容を再検討している。

 他市の例や平均単価などから庁舎は建て替えた場合、用地取得費などを除いて50億〜60億円、耐震改修で20億円程度の費用がかかるとされている。コスト面ではこうした整備費のほか、維持管理の経費についても、50年以上の長期スパンで比較していく。

 熊本地震では益城町など五つの庁舎が損壊。使用できなくなり、司令塔としての機能を果たせなくなった。4月下旬の定例市長会見で市側は「現状を把握し、今後建て替えるべきなのか耐震すべきなのか議論を進めていきたい。スピード感を持って取り組んでいく」と説明。中身を詰めた上で判断時期の前倒しも視野に入れていく考えを示した。6月6日に開会する定例市会でも議論になるとみられる。

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