高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の新たな運営主体を議論する有識者検討会の初会合で、あいさつする有馬朗人座長(奥右端)。左隣は馳文科相=2015年12月、文科省

 原子力規制委員会が昨年11月に高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の運営主体を見直すよう馳浩文部科学相に勧告してから、13日で回答期限の目安となる「半年」を迎えた。新たな運営主体を探る文科省の有識者検討会は今月末にも報告書をまとめる。これまでの議論から浮かび上がる新組織は、日本原子力研究開発機構の一部職員と保守管理のプロらが入り、経営に外部有識者が参画する形だ。ただ現段階では組織の理想像にすぎず、文科省が具体的な組織概要を決めるのは夏ごろとみられる。

 ■存続前提に議論

 文科省は昨年12月に検討会を立ち上げ、これまでに7回の会合を開催。規制委は勧告で廃炉も辞さない抜本的な見直しを求めたが、存続と再稼働を前提に議論してきた。

 文科省は(1)もんじゅの課題総括(2)新組織に求められる要件(3)具体的な組織内容—の3段階で検討。検討会では第2段階までを主に議論しており、報告書では「もんじゅ運営のあるべき姿」が提言されるとみられる。

 検討会はもんじゅの課題について、長期の運転停止に伴い保守管理のノウハウがうまく引き継がれなかったことや、一般の原発を運営する電力会社と比べて原子力機構は、規制動向などの情報収集力が低い点を指摘。所管する文科省を「原子力機構をおもんぱかる代弁者となって、厳しい指導ができていない」などと批判した。

 ■“弱点”を補強

 4月の第7回検討会では新組織の要件の骨子案を提示した。▽原子力機構が保有するナトリウム冷却の高速炉に特有な技術の継承▽他原発の経験者らを保守管理の重要なポストに登用▽原子力分野以外の外部有識者の経営参画—などが盛り込まれた。

 文科省の担当者は「ナトリウムの取り扱い技術は原子力機構にしかない。機構の職員はある程度(新組織に)継承していくことになると思う」とした上で、保守管理に精通した人を加え、“弱点”を補強する考え方だと強調。外部有識者の経営参画は、安全を求める社会の声を運営に適切に反映する仕組みという。

 文科省は検討会の報告書を受けた後、新組織の具体的な特定作業に入る。「相手との交渉もあるので、公の場での議論にはならない」(担当者)といい、馳文科相は決定の時期について「夏をめどに」との見方を示している。

関連記事
あわせて読みたい