福井県池田町の部子川にダムサイトを建設する足羽川ダム計画について西川知事は十日、建設主体の国土交通省から計画原案の説明を受け、了解した。福井豪雨を受けてまとまった九頭竜川水系河川整備基本方針に沿い「百五十年に一度の洪水」に対応、ダムの高さを九十六メートルとする案で、曲折をたどった同ダム計画は、一九六七年の予備調査着手から約四十年ぶりに動き出す。

 知事は了解の条件として、計画額以上に建設費が膨らまないことなどを確認、国県双方の共通理解として会談内容を議事録に残す。将来的な事業費の膨張で、県負担が増えないよう歯止めをかけるもので、全国のダム計画でも初めて。

 国の原案を県が了解したことで、国と県は早い時期に建設地の池田町と住民に原案を説明し、理解を得る作業を進める。九頭竜川流域委員会や下流域の福井、坂井両市にも説明。意見を聴いた上で、整備計画案を策定する。国交省は今夏をめどに計画案をまとめたい意向。県との協議で合意すれば河川法に基づく整備計画となる。

 同省の藤本貴也近畿地方整備局長が県庁を訪れ、原案に至った経緯や内容を説明した。知事は(1)ダムの必要性、効果について県民理解を得る努力(2)事業期間の短縮(3)建設費増大への歯止め—の三点を確認。特に(3)を重要課題として「全国的にもダム計画などで相当事業費が膨らむケースがある。今後、そうならないよう努めてほしい」と力を込めた。

 建設費について藤本局長は「国、県とも財政は厳しく、コスト削減は当然。環境対策や土砂・流木対策で新しい知見を見込んだ必要額を見積もっており、想定通りなら増加しないと認識している」と答え、知事が「考え方を十分理解できた」として了解した。

 計画原案は池田町上小畑に高さ九十六メートルのダムを建設。洪水調節専用で、総貯水量を約二千八百七十万トンとする。流域委員会の審議段階では「八十年に一度」の洪水を想定し高さ七十六メートルだったが、河川整備基本方針に基づく「百五十年に一度」に対応した場合、将来のかさ上げ工事で事業費が増大。新たな用地取得や水没住宅が出るなど影響が大きいと説明した。

 工事は福井豪雨級を想定した先行整備と「百五十年に一度」の洪水に対応した将来整備に分け、当面は水海川から部子川のダム貯水池に導水管を通す。従来計画で直径十五メートルの一本だった導水管は、直径十メートルと同十三メートルの二本に分け、土砂や流木などで管が詰まる不測事態に備える。

 将来的には赤谷川、割谷川、足羽川からも順次、導水管を通す。先行整備の事業費は九百六十億円で、将来整備を含めた総事業費は千四百五十億円。約十分の三を県が負担する。事業期間は先行整備が二十年、将来整備分が約十年を予定している。

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