戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を掲げる憲法九条を守ろうと活動する市民団体「九条の会・ふくい」が七日結成され、福井市の県民会館で「県民のつどい」を開いた。約五百人が集まり憲法改正論議の是非を考えた。

 「九条の会」は、作家の大江健三郎さんや哲学者の梅原猛さんら九人が呼び掛けた改憲阻止運動が草の根的に広がり、これまでに全国で約四千七百団体が設立されている。本県では、越前市や敦賀市などで結成されているが、全県域を対象にした組織は初めて。

 この日のつどいでは、憲法学と法政策論が専門の水島朝穂・早稲田大教授が講演。「新憲法草案の狙いは戦力の不保持と交戦権の否認をうたった九条第二項の改正」とした上で、集団的自衛権を外交カードにしたいとする改憲派の論調を「米国に寄り添う、戦争を知らない政治家や官僚の無邪気な”火遊び”」と指摘した。

 また「憲法とは権力者の制限規範であり、環境権や被害者の人権などは本来、盛り込むべきものではない」と解説。今の改正論議について「権力者主導で何を変えるかだけが先行し、なぜ変えるのかという議論が全くない。郵政民営化のように単なる賛否ではなく、国民一人一人の熟慮が必要」と訴えた。

 九条の会・ふくいは、県内の学識者や弁護士、詩人、市民ら三十八人が呼び掛け結成された。今後より多くの賛同者を募り、九条改正反対の立場から講演会や署名活動、詩の朗読会などを開いていきたいとしている。

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