敦賀方面に向かって工事が進む新北陸トンネル=福井県南越前町

 北陸新幹線の福井県内区間には13のトンネルが整備される。最長は、南越前町と敦賀市にまたがる「新北陸トンネル」(約19・7キロ)だ。JR北陸線の北陸トンネルより約6キロ長い。鉄道建設・運輸施設整備支援機構敦賀鉄道建設所によると、全国にある鉄道と道路のトンネルの中で、長さは青森県と北海道をつなぐ北海道新幹線の青函(約53・9キロ)、青森県を通る東北新幹線の八甲田(約26・5キロ)などに次いで6位になる。

 距離が長いため、6工区に分けて工事を進めている。現在、奥野々(南越前町)と大桐(同)、葉原(敦賀市)の3工区でトンネル本体の「本坑」を掘削しており、清水工区(南越前町)は今年夏ごろから掘り始める予定。田尻(敦賀市)と樫曲(同)の2工区は準備中となっている。

 奥野々工区を4月中旬に取材した。地上から「斜坑」という長さ約300メートルのトンネルを下って歩き、本坑と交わる丁字路のような場所に着いた。左右を見渡すと、分厚いコンクリートに覆われた幅約9・5メートル、高さ約8メートルの空間が一直線に延びていた。この日の時点で、福井方面に約100メートル、敦賀方面に約1・1キロの掘削を終えたという。

 「耳をしっかりふさいでください」。案内してくれた同建設所の小林寛明所長が記者の方を振り向いた。「ドン、ドン」。数秒後、敦賀方面から発破の爆音が響いた。衝撃で空気が揺れた気がした。

 工事の主な流れはこうだ。「ドリルジャンボ」と呼ばれる重機で岩盤に複数の穴を開け、約40キロの爆薬を詰める。その後▽発破▽掘削した土砂の搬出▽岩盤を支える枠(支保工)の建て込み▽コンクリートの吹き付け▽岩盤を補強する鉄棒の打ち込み▽漏水防止のシート張り▽コンクリートの打ち込み▽レール基礎部の路盤工—などを行う。昼夜を問わずに掘削しているが「一日に進むのは6〜8メートル」(小林所長)という地道な作業だ。

 4月22日時点で3工区計約2900メートルを掘削し、進捗率は14・7%となっている。工事は順調に進んでいるが、北陸自動車道やJR北陸線のトンネルの実績から、新北陸トンネルの現場でも複雑な地質や湧水が想定されている。同機構大阪支社は「事故や遅れが発生しないよう、安全に工事を進める」としている。

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