新機能「ジュラカタッチ」の使い方

 2種類の電子マネーを搭載する多機能型ICカード「JURACA(ジュラカ)」は、近距離無線通信技術(NFC)による「ジュラカタッチ」と呼ぶ新機能を備えている。カード読み取り機能が付いたスマートフォンやタブレット端末にタッチすると、専用メニュー画面につながってID・パスワードなしで電子版「福井新聞D刊」、電子チラシ「チラシの森」などに簡単にログインできる。電子マネーサービスに加え、ICカードの新たな活用方法で地域オリジナルサービスを提供する。

 この機能は、凸版印刷(東京)のシステム「スマートデスクトップ」を利用。このシステムの利用は、ジュラカタッチが全国初の商用化となる。現在はジュラカ公式サイト、「D刊」、「チラシの森」、女性会員サイト「Ladies倶楽部&(あんど)」、SNS「ふくーぷ」、スイーツプレゼントサイト「スイトピ」などにログインできる。

 凸版印刷によると、スマートデスクトップは高齢化社会に対応するシステムとして開発が進められた。ネットでの買い物など各サービスへのログインは、会員登録やID・パスワードの入力といった手続きが必要。しかしパソコンに不慣れな高齢者にとっては複雑で、管理面でも不安がある。そこでICカードと端末だけで電子新聞、ネットショップなどのページに検索やID・パスワードなしで到達できることが可能な仕組みをつくった。

 奈良県葛城市では、スマートデスクトップを利用した実証事業が行われた実績がある。公民館や福祉施設に集まる高齢者向けに端末を用意。ICカードをタッチしてネットで買い物をしたり、健康データを管理したりするサービスを提供している。凸版印刷情報コミュニケーション事業本部セキュアビジネスセンターの黒澤真路さんは「子どもからお年寄りまで、簡単に目的のネットサービスにたどりつける。提供側にとっても利用促進につながる」と利点を強調する。

 福井銀行と福井新聞社は地域の活性化に向け、ジュラカを起点に民間事業者や自治体、交通、医療・福祉分野との連携も視野に入れる。ジュラカタッチは性別など個人の属性、店舗や施設の目的に合わせた画面を表示し、ネットサービスに誘導することも可能だ。ニュースやセールの案内など設置場所に応じた情報を表示できるデジタルサイネージ(電子看板)などへの活用も検討する。

 黒澤さんは、ジュラカタッチの可能性について「使い方が多様化し、利用者が増えることで地域カードとしての価値が高まる。他企業や自治体を巻き込んだ地域サービスの中核を担うことも期待できる」と話している。

 ジュラカは、福井銀行と福井新聞社が4月から始めた。JCBの後払い式電子マネーQUICPay(クイックペイ)とセブン&アイ・ホールディングスの前払い式電子マネーnanaco(ナナコ)が利用できる。

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