アユ釣りシーズンを前に福井県内の漁港や河口で、川に遡上する前の稚アユを釣る違法行為が増え、漁業関係者を悩ませている。天然資源保護のため、県漁業調整規則と県内水面漁業調整規則は海、川とも1〜5月のアユの採捕を禁じている。県水産課や河川漁協などは釣り客に規則順守を呼び掛け、漁港などでの監視・啓発活動を強化する方針だ。

 22日に福井県水産会館(福井市)で開かれた県内水面漁場管理委員会で議題に挙がった。漁業調整規則には、稚アユの採捕禁止期間などに違反した場合「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」との罰則規定がある。

 委員会では、委員から「敦賀市の笙の川河口や敦賀港では最近、1人で何十匹も稚アユを釣っているケースが見られる」「坂井市の福井港では、バケツに半分ぐらい稚アユを入れている人を見た」「小浜漁港では土日だと、釣り客が100人くらい訪れる。イワシやアジなどと一緒に稚アユが釣られている」といった指摘が相次いだ。

 体長10センチ以下のアユは採捕禁止期間と関係なく一年中、釣ったり、捕ったりすることが禁じられている。遡上前のアユは体長が10センチに満たず、「採捕禁止期間と合わせ、二重の違反だ」として取り締まり強化を訴える意見もあった。

 アユは3〜5月に海から川に遡上。川では岩に付いた藻を中心に食べるが、海では動物性プランクトンなどを食べる。このため、オキアミなどを餌にするアジのサビキ釣りなどでも稚アユがかかる場合がある。ただ県水産課によると、県外の釣り客を中心に海の稚アユだけを狙う悪質なケースも見られるという。

 県はホームページで規則を周知するとともに、県内水面漁場管理委員会と連名の啓発チラシを作成。県内の各釣具店の店頭に掲示したり、各漁協の監視員と県職員が漁港などを見回ったりして、釣り客に規則順守を呼び掛けていく。

 県内河川の各漁協は、産卵場の造成や採捕禁止区域の設定など天然アユの保護に取り組んでいる。サビキなどで稚アユが釣れたときは、海や川に放すよう求めている。

関連記事
あわせて読みたい