米朝首脳会談を受け、記者会見する地村保志さん=6月12日、福井県小浜市役所

 米朝首脳会談が行われた6月12日、福井県小浜市の拉致被害者、地村保志さん(63)が同市役所で記者会見し「トランプ米大統領を日朝間の橋渡し役として、安倍首相と金正恩朝鮮労働党委員長の対話を一日も早く実現してほしい」と述べた。トランプ氏は金正恩氏に拉致問題を提起しており、北朝鮮に残る拉致被害者に対し「日本に帰国するという希望を捨てないでほしい」と呼び掛けた。

 会談について地村さんは「反米一本やりだった北朝鮮が米国と手を握るのは驚き」と表現。「(北朝鮮の)国民は平和を望んでいるし、今の(韓国との)休戦状態も異常だと考えている。平和協定に変えていくという方向であれば国民も納得すると思う」との見解を示した。

 拉致問題の解決に向け、日朝首脳会談の必要性をあらためて主張した。2016年に解体された北朝鮮の拉致問題再調査委員会に言及し「北朝鮮での調査は既に終わっていると思うので、早く結果の提出を求め、生存者を帰してもらってほしい」と要望した。

 北朝鮮に残る拉致被害者について「(多くの人は1970年代に拉致されており)高齢化が進んでいる」と健康状態を懸念し「希望を捨てずに、帰るという希望を持っていてほしい」と述べた。

 地村さんは2002年9月、当時の小泉純一郎首相の訪朝によって帰国が実現。その数カ月前に招待所から平壌市内のアパートに引っ越し、帰国の2週間ほど前に日本に帰る準備を指示された。会見では、個人的見解とした上で「日本に帰国できる人間(拉致被害者)は、既に帰国の準備段階に入っているのではないか」と推測し、拉致問題の早期解決に期待感を示した。

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