内陸部の活断層が動いて発生した熊本地震は、1948年の福井地震や95年の阪神大震災と同じタイプの地震とみられる。福井県は全国的にみて活断層が集中している地域の一つ。県内研究者は「いつどこで強い揺れが起こっても不思議ではない」と警鐘を鳴らしている。

 マグニチュード(M)7・3の熊本地震について、福井大教育学部の山本博文教授(地質学)は「M7・1の福井地震とよく似ている」と説明する。県庁所在地に近い活断層が水平方向にずれて動き、震源がごく浅い点などが共通する。

 死者・行方不明者約3800人を出した福井地震は、坂井市三国町沖から南南東に福井市まで延びる長さ約33キロの「福井平野東縁(とうえん)断層帯西部(福井地震断層)」を主な震源断層として発生し、震源地は現在の坂井市丸岡町付近とされる。気象庁の震度データベースによると、福井地震以降で県内や近海の活断層によって発生したとみられる震度3以上の地震は計67回起きている。1963年に越前岬沖で起きたM6・9の地震では敦賀市で震度5を観測し、住宅2棟が全壊した。

 政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は、全国の主要な活断層で30年以内に地震が発生する確率や想定される規模を分析している。熊本地震の本震が起きた布田川(ふたがわ)断層帯の布田川区間の確率は「ほぼ0〜0・9%」、規模は「M7・0程度」。活断層の中では発生確率がやや高いグループに含まれていた。

 福井県内の活断層では、福井地震断層の東側にある「福井平野東縁断層帯主部」が確率「ほぼ0〜0・07%」、規模「M7・6程度」と評価されている。このほか、若狭湾から美浜町を経て敦賀市に至る「野坂・集福寺断層帯」の野坂断層帯や、福井市から敦賀市と南越前町にまたがる山中峠付近まで延びる「柳ケ瀬・関ヶ原断層帯主部(北部)」などが挙げられているが、発生確率はほぼ0%か不明となっている。

 地震の発生確率は、活断層が動く間隔や最新の活動時期などから分析される。「確率が0・07%と言われても実感が湧かないのが問題。福井県内の活断層はいつ動いたかやその間隔が分かっていない断層が多く、確率がそれほど高くならない傾向がある」(山本教授)という。

 活断層の把握には地域差もある。「近畿三角地帯」と呼ばれる密集地帯に含まれる嶺南地方は、原発が立地しているために、近年も海域を含めた詳細な調査が繰り返し行われてきた。一方、嶺北地方ではあまり進んでいないのが現状だ。山本教授が加わった調査で、2007年に鯖江市街地を南北に走る断層の存在が確認された例がある。

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 【活断層】

 過去数十万年以内に繰り返し動き、将来も地震を起こす恐れがある断層。阪神大震災のほか、2004年の新潟県中越地震や14年の長野県北部の地震なども活断層で引き起こされた。東日本大震災は沈み込む太平洋プレート(岩板)と、陸のプレートの境界で起きた海溝型巨大地震でタイプは異なる。活断層による地震は、海溝型に比べ一般にエネルギーは小さい。

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