16日午前1時25分ごろ、熊本県で震度6強の地震があった。その後、短時間に震度6弱以上の地震が相次いで3回発生。ビルや家屋が倒壊し、県などによると、新たに19人が死亡、14日以降の死者は計28人となった。大分県を含め、広範囲で多数がけがをし、熊本県によると、約900人が重軽傷。熊本県では6万8911人が避難した。熊本県益城町では14日に最大震度7を観測しているが、気象庁は「今回(午前1時25分)が14日以降に発生した地震の本震」との見方を示した。政府は自衛隊や警察などの派遣要員を増強、救助と復旧に全力を挙げる。

 最初の震度6強の地震はマグニチュード(M)7・3で、阪神大震災と同じ規模。震源の深さは約12キロ。

 熊本県や市町村などによると、八代市の火災で1人が死亡。このほか熊本市や西原村、南阿蘇村などの男女18人が死亡した。県はこのうち10人の身元を発表した。午前9時までに、家屋に閉じ込められたなどの110番が熊本県で922件、大分県で190件。

 熊本県警などによると、南阿蘇村では、東海大阿蘇キャンパス近くのアパート4棟の1階部分が損壊するなどし、11人が下敷きに。大規模な土砂崩れもあり、阿蘇大橋が崩落した。宇土市役所が一部損壊、南阿蘇村と西原村にまたがる俵山トンネルが崩落した。

 最初の震度6強の後、午前1時46分ごろ震度6弱、午前3時55分ごろに震度6強、さらに午前9時48分ごろ震度6弱があった。気象庁は「最大震度6弱の余震が1週間程度は考えられる」と警戒を呼び掛けた。

 地震の専門家によると、14日夜の地震は九州中央部を北東—南西方向に走る「日奈久(ひなぐ)断層帯」で起きたとされるが、今回は北側に隣接する「布田川(ふたがわ)断層帯」に連鎖的に活動が移ったとみられる。

 阿蘇山が午前8時半ごろ、小規模噴火したが、気象庁は地震とは直接関連はないとみている。

 大分県知事も陸上自衛隊に災害派遣を要請した。安倍晋三首相は16日の現地視察を中止した。

 九州電力によると、熊本、大分、宮崎3県で一時約20万3千戸が停電。鹿児島県の川内原発と佐賀県の玄海原発に異常はない。

 JR九州の在来線は、福岡や宮崎、鹿児島などの区間を除き、始発から運転を見合わせて安全確認を進めた。熊本空港は発着の全便が欠航した。

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