桜、歴史結ぶ治水整備を

足羽川核にまちづくり

 「足羽川の未来を探る」をテーマにしたシンポジウム(福井新聞社主催、国土交通省近畿地方整備局など後援)が十六日、福井市の繊協ビルで開かれた。約三百三十人が参加し、川を生かしたまちづくりの重要性について認識を深めた。

 県の足羽川河川環境整備検討会の委員長を務める進士五十八東京農大教授は基調講演で「世界の名高い街は、川が中心となって築かれている。水のある風景は美しい。福井のまちづくりは足羽川が核となる。大きな資金がつぎ込まれる洪水対策事業をむだにせず、川や桜、歴史などをつないだまちづくりの契機とするべき」と訴えた。

 さらに進士教授は、高速道路を通し暗きょになっていた川を再び元に戻した韓国・ソウル市での「葛藤(かっとう)管理」と呼ばれる取り組みを紹介し「よい環境をつくるためには不便さもしのぶ決断をした。行政や市民が本音で語り合いながら、よりよい古里づくりを行ってほしい」と語った。

 松村龍二国土交通副大臣は福井平野の治水の歴史や展望とともに、治水の基本命題が防災から減災へと変化していることなどを説明した。

 続いて坂川優福井市長ら五人がパネルディスカッション。市民レベルでの治水について坂川市長は「しっかりとした機能を持った自主防災組織をつくり上げ、地域力のアップによって治水を徹底したい」と言及。まちづくりプランナーの水上聡子さんは「防災意識を持った市民の育成には、子どものうちから地域に関心を持つ教育を行うべき」と話した。

 川の将来像を決める河川整備計画について角哲也京都大大学院助教授は、自身がメンバーとなっている九頭竜川流域委員会での審議内容を説明。「都市計画と河川計画の連携が行われ始めている。行政は市民に今後の河川整備計画を説明して情報を共有し、市民とともに計画を次世代につないでほしい」と述べた。布村明彦国交省河川計画課長は「治水と環境の両立は、多自然型川づくりとして各地で実現が図られている。市民と行政が知恵を出し合い、よりよい計画づくりに反映させたい」と話した。

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