帝国データバンク(TDB)、東京商工リサーチ(TSR)両福井支店がまとめた2015年度の福井県内倒産件数(負債額1千万円以上)は、金融機関の下支え効果などから両支店とも57件となり、2年ぶりに前年度を下回った。負債総額は上場企業1件の倒産が全体を押し上げたが、負債10億円以上の大型倒産は前年度に比べて1件減った。

 負債総額は法的整理のみのTDBが829億5700万円、私的整理も含むTSRが830億4700万円で、TDBは過去最大、TSRは小野グループ3社が倒産した2012年度に次ぐ規模となった。ただ4月に民事再生法の適用を申請した江守グループホールディングスの負債額711億円を除けば、ともに前年度を下回った。

 倒産した企業を業種別に見ると、両支店とも建設業、小売業、製造業の順。建設業の倒産件数は前年度を上回ったが、負債総額は減少した。小売業は消費動向が弱含みで推移したことや仕入れ価格の上昇などから負債額は前年度に比べて大幅増。逆に円安を背景に業況が改善した製造業は件数、負債額とも前年度を下回った。

 今後の見通しとしてTDBは「公共工事の総量減などで建設業全般の厳しさが増している」と指摘。TSRは「年明けからの円高、株安傾向が、大手をはじめ、地域中小業者の景況感を悪化させている」とし、倒産件数が緩やかに増勢に転じる懸念を示している。

 TDBは、業歴30年以上の企業の倒産が全体の57・9%に上る33件あったことに着目。「従前からの事業を継続していくだけでは、存続が容易でない状況がうかがえる」と分析している。

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