関西電力廃止措置技術センターの藤井大士所長

 運転開始から40年を超えた関西電力美浜原発1、2号機(福井県美浜町)の廃炉を決め、2月に解体工程などを示す「廃止措置計画」を原子力規制委員会に提出した。解体撤去が完了する2045年度まで30年間の工程。規制委から認可を受けた後、速やかに作業に入る予定だ。地元企業に参入してもらうため、具体的な工事の内容や作業量、発注時期を示す説明会を開いていく。

■関西電力廃止措置技術センター所長 藤井大士さんに聞く

 廃止措置計画では、30年の工程を4段階に分けている。最初の6年間で、1次冷却水の配管内などの放射性物質を薬液で取り除く「系統除染」を行うほか、原子炉や機器に放射能がどのくらい残っているかを調査する。その後、原子炉周辺設備の解体、原子炉の解体、建屋撤去と段階的に進める。タービン建屋内の機器や2次系設備の解体工事は計画の認可後、速やかに着手する考えだ。

 使用済み燃料が施設内にあるうちは解体範囲がかなり制限されるため、敷地外に搬出する時期が重要。計画では35年度までに搬出を終えた後、原子炉の解体に入る。解体で出る放射性廃棄物の処分先はまだ決まっていないが当然、処分場を確保した上で解体を始める。施設内に廃棄物があふれることは絶対にない。

 計画に掲げた工程はわれわれの決意の表れだ。絶対に工程通りにやり遂げるつもりで、初期の段階から本腰を入れて作業を行っていく。

 廃炉作業のうち、系統除染や残存放射能調査、原子炉の解体は高度な技術が必要なので、プラントメーカー並みの技術力を持つところが主体になる。ただ、それ以外の2次系設備や原子炉周辺設備の解体撤去は相当程度、地元企業の技術を使わせていただけると期待している。

 地元企業に参入してもらうため、まず工事の説明会を開きたい。さらに解体を進める中で出てくる課題に対し、地元技術を使って解決する取り組みも考えられる。地元企業の技術力を上げる国の研修などに協力していく。

 30年という長い工程のため、人材育成や技術伝承は非常に重要だ。これまで運転中の発電所で作業に従事してきた人たちの継続的な技術も必要だし、将来を担う学生との接点を持ち育成につなげたい。

 ふじい・たけし 京都大学院卒。1991年に関西電力入社。原子力保全改革推進室、電事連ワシントン事務所などを経て、昨年6月に新設された廃止措置技術センターの初代所長に就く。同センターは美浜町の原子力事業本部にあり専任24人、併任60人の体制。奈良県出身、50歳。

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