宮下奈都さん

 全国の書店員が最も売りたい本を選ぶ「2016年本屋大賞」の発表会が12日夜、東京都内で開かれ、福井市在住の宮下奈都さん(49)の「羊と鋼の森」(文藝春秋)が大賞に選ばれた。13回目となる同賞で福井県関係者が受賞したのは初めて。

 受賞作は、13年春から一家で1年間移住した北海道で執筆。ピアノ調律師の青年が成長する姿を繊細かつ温かみのある筆致で描いた長編小説。15年9月に刊行された。第154回直木賞候補となり、受賞作に次ぐ高い評価を得た。

 今回の本屋大賞には芥川賞を受賞した人気お笑い芸人の又吉直樹さんの「火花」やミステリー雑誌で話題を呼んだ米沢穂信さんの「王とサーカス」など10作品が1月20日にノミネートされた。これら有力話題作を押しのけて福井市出身で、福井に家族とUターンして暮らす宮下奈都さんの「羊と鋼の森」が全国の書店員の心をとらえて大賞に選ばれた。

 受賞作の「羊と鋼の森」には、書店員から「人として生きていく上で大切なものが何かを感じられる」「視覚で捉えられない言葉や物語の美しさを鮮やかに示している」といった称賛の声が集まった。

 宮下さんは、「誰かが足りない」(双葉社)で12年大賞の7位に選ばれている。

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 宮下奈都さんの「羊と鋼の森」が本屋大賞を受賞したことを記念し、有料電子版「福井新聞D刊」では、宮下さんがこれまで福井新聞に寄稿したエッセーと、福井新聞社発行の月刊誌「fu」に31回にわたって連載しているエッセー「緑の庭の子どもたち」をまとめて掲載している。

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