師匠の市田佳寿浩選手(左)と二人三脚で日本競輪学校合格をつかんだ小森貴大さん=福井県坂井市内

 元福井ミラクルエレファンツ投手の小森(旧姓天野)貴大(たかひろ)さん(26)=山梨県出身=が日本競輪学校に合格した。人生を懸けて決断した競技転向から約2年。「人生の師」に支えられ、プロへの一歩を踏み出した。「1年後には大きくなった姿を福井の皆さんにみせたい」と新たな夢に向かい、来月入校する。

 高校では県外の野球強豪校に進み、2012年にエレファンツに入団。野球街道を突き進んできたが「野球以外で初めて興味を持った」のが競輪だった。

 「情熱がすごい。野球だと引退している年齢の人たちも志が高い」と小森さん。福井市内のジムで競輪選手と一緒に練習するうちに、その姿にひかれていった。中継ぎとして活躍していたが「どうしても競輪に挑戦したかった」。13年7月に退団し、新たな世界に飛び込んだ。

 日本競輪選手会福井支部の選手たちと練習していたが、14年3月から市田佳寿浩選手(40)=S級1班=に師事。二人三脚の自転車生活が始まった。早朝から夜中まで100〜200キロを走るトレーニングは野球より何倍も厳しかった。それでも「転向組はひたすらこぐしかない」と体にむちを打ち続けた。

 小森さんのひた向きな努力に市田選手も刺激を受けていた。大けがからの復活を目指し「一番弱かった時期」に、がむしゃらに汗を流す弟子がいつも隣にいた。「彼がいてくれたおかげで頑張れた」。感謝の言葉を口にする師匠を「自転車だけじゃなく、人としての生き方を教わった」と仰ぐ小森さん。師弟は強い信頼関係で結ばれている。

 昨年10月の1次試験は「最後は勝ちたい気持ち」(市田選手)という言葉を胸に200メートル、1千メートルのタイムトライアルを突破。筆記試験を経て今年1月に合格した。5月10日に静岡の競輪学校に入学し、約10カ月の厳しい鍛錬を積んだ後、プロとしてデビューする。

 「長く活躍する選手になってほしい」と期待を寄せた市田選手。「強くなって帰ってきます」。師の前で誓った小森さんが、福井のバンクで疾走する姿が楽しみだ。

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