子どもたちに楽しんでもらうイベント内容などを考えるBBSサークルの学生たち=3月、福井市の福井大文京キャンパス

 不登校やいじめなど子どもの悩みについて考える「親と子のリレーションシップほくりくinふくい」が10月、福井県永平寺町の県立大福井キャンパスで開かれる。運営の中心として関わるのは、虐待や経済的理由で家庭に居場所のない子どもの成長を手助けする大学サークルの学生たちだ。「つらい境遇にいる子どもを支えたい」「子どもをめぐる問題について理解を深める場にしたい」との思いで準備に当たっている。

 この催しは、北陸3県の市民グループが2011年から開いており、県内開催は13年以来2回目。今回は、県BBS連盟や「ふくい『非行』と向き合う親たちの会」でつくる実行委員会が「子ども・若者の声に耳を傾けて」をメーンテーマに開く。

 イベントの一つとして計画しているのが、施設などにいる子どもたちとの交流会。福井大のサークル「BBS」のメンバーで福井市内の児童養護施設に週1回、学習支援に通う工学部4年の前川翔太さん(22)は、さまざまな事情で親元を離れて暮らす子どもの寂しそうな表情を見てきた。「催しを通じて、子どもたちの笑顔が見たい」と張り切る。

 3月に福井市内で開かれた打ち合わせでは、開催時期に合わせて、ハロウィーンにちなんだ仮装パーティーや料理作りなどのアイデアが出された。みんなで協力し、ものづくりをしたり来場者に発表したりすることで、表現する楽しさや達成感を味わってもらいたい考えだ。

 仁愛大では近く「BBS」サークルが設立予定で、立ち上げに携わってきた同大大学院2年の船岡晃さん(23)も運営スタッフの一人。越前市内の自立更生支援施設での学習支援を続けている経験から「子どもには、たくさんの居場所、そして自由に語り、表現できる権利があるということを感じてもらいたい」という。

 福井大BBSのOBで、現在は県内の児童養護施設に勤める坪田恭一さん(23)は「自分自身、学生時代にボランティアで通うまで、福井にこうした施設があることを知らなかった」とし、同施設に対する無関心や偏見が解消される一歩になればと願う。

 催しは10月22日に行い、「子どもの悩み110番」やフリースクール、県BBS連盟など、子どもの支援に関わる県内団体によるパネルディスカッションも実施予定。「子育て」「不登校」「貧困」をテーマにした分科会も開く。

 「ふくい『非行』と向き合う親たちの会」事務局を務める福井医療短大の森透教授は、子どもが「意見を表明する権利」や子どもへの「虐待の禁止」を定めた「子どもの権利条約」の精神に触れ「子どもの主体性や、健やかな発達を考える契機にしたい」と話している。

 ■BBS 「Big Brothers and Sisters movement」の略。約100年前に米国で始まった運動で、兄や姉に成り代わって非行少年や家庭に居場所のない子どもたちの成長を支える。全国に組織があり、福井県BBS連盟(事務局・福井保護観察所)には福井、鯖江、敦賀など5地区で約100人が参加している。

関連記事
あわせて読みたい