ゆうきくんの飼育ケージの上で巣作りらしき行動を始めたコウノトリ=8日、福井県越前市

 福井県越前市白山地区に3月下旬から飛来している国の特別天然記念物コウノトリの雄1羽が、同地区にある飼育ケージのはりの上に木の枝や枯れ草を運び、巣作りのような行動を始めた。8日には、はりの2カ所に枝の固まりがみられ、地元住民は「相手になる雌が早く来てくれれば」と今後の定着、繁殖に期待を高めている。

 県のコウノトリ支援本部によると、同地区で2014年に生まれた「ゆうきくん」(雄)のいるケージで、5日ごろからケージそばのビオトープなどで巣材を集めだした。飛来している個体は、足環(わ)から2013年に兵庫県朝来市で放鳥された同年生まれの雄とみられ、今年3月28日から白山地区にとどまっている。

 周辺のビオトープや水を張った田んぼで盛んに餌を食べるなど同地区の環境を気に入った様子に、地元住民有志でつくる「見守り隊」の野村みゆきさん(56)は「堂々と過ごしており、このまま定着してほしい」と喜ぶ。一方で、「人なつっこい個体なので、事故に遭わないか心配もある。ケージ周辺のパトロールで気を付けて見守っていく」と話す。

 巣材を求めて付近の県道に降り立つ時もありコウノトリ支援本部は、車で通行する時に速度を下げるなど注意を呼び掛けている。

 コウノトリは4歳前後から繁殖できるようになるといわれている。兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園(同県豊岡市)によると、過去に大陸から飛来したとみられる野生のコウノトリがケージの上に単独で巣を作った例がある。郷公園の大迫義人研究部長補佐は「繁殖年齢に達した個体の自然な行動ではないか」と説明している。

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