関西、中国、四国、九州の西日本の電力会社4社が、原発の事故対応や廃炉技術、再稼働の安全対策で提携することが5日、関係者への取材で分かった。各社共通の課題に結束して取り組み、安全性や効率性を高めるとともに、東京電力福島第1原発事故後に急増している安全対策費を節減するのが狙い。

 国内の電力大手が原発の広範な分野で協力するのは初めて。4社は地域が近く、再稼働や老朽原発の廃炉で取り組みが先行しており、課題が重なる。4月に電力小売りが全面自由化され、家庭の利用者が新電力に契約を切り替え始め、競争が激しくなっている。提携は経営環境の改善にもつながると判断した。4月中にも協定を結び、2016年度内に人材交流を始める。

 東京電力など東日本の大手電力が技術維持のため、関電などに原発担当者を派遣する形で協力が広がる可能性もある。

 4社は具体的には、炉心溶融などの過酷事故の発生時に緊密に連絡を取り合う態勢を強化する。電源喪失に備え、移動電源車やポンプ車が迅速に駆け付けられるようにするなど、資機材を相互に利用できる仕組みを構築する。防災訓練に他社から参加することも検討。外部の意見を採り入れて安全意識を高める。

 4社は関電美浜1、2号機(福井県)、中国電島根1号機(島根県)、四国電伊方1号機(愛媛県)、九電玄海1号機(佐賀県)で廃炉を決めている。廃炉作業は30年以上の長期に及ぶとされ、専門性も要するため、技術を互いに蓄積し合う。

 一方、九電川内1、2号機(鹿児島県)が稼働中で、関電高浜3、4号機(福井県)も今年に入り一時、再稼働した。伊方3号機も7月下旬に再稼働を計画しており、原子力規制委員会の審査対応や起動時の手順などを共有する。

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