タイ人の本県誘客に向けてフェイスブックページを開設した(右から)澤田さん、宇都宮さんと竹本准教授=福井市の福井大文京キャンパス

 福井県へのタイ人観光客を草の根活動で増やそうと、タイに短期留学した福井大生2人が、留学先のタイ国立チャンカセム・ラチャパット大学の学生3人とともに、福井の魅力をタイ語で発信するフェイスブック(FB)ページ「福井ちゃん」を開設した。両大学が結ぶ部局間協定に基づき、継続してページを共同運営することで合意した。外国人観光客が少ない福井県としてタイは特に誘客に力を入れている国だが、学生は「福井からのPRがまだまだ足りない。お金をかけずとも自分たちのやり方で観光客を呼びたい」と張り切っている。

 ページを作ったのは、福井大工学部2年の澤田健太郎さん(19)と教育地域科学部2年の宇都宮裕さん(19)。同大産学官連携本部が3月3〜16日に行ったタイ国立チャンカセム・ラチャパット大(バンコク)への短期留学プログラムに参加した。日本の産業界に役立つ課題解決のための調査活動として、澤田さんらのチームは「福井県にタイ人を呼ぶには?」をテーマに選び、街頭アンケートや現地旅行会社への聞き取りをした。

 調査では、福井県だけの観光資源として東尋坊や県立恐竜博物館が興味を集めた一方で、旅行会社にタイ語で福井を紹介するパンフレットがないことが判明。日本への観光客は個人旅行者が多くを占め、FBが旅行先を調べる情報源となっている傾向をつかみ、滞在中にすぐさまページを立ち上げた。

 澤田さんらは帰国後に県内各地へ足を運び、桜の木に囲まれた丸岡城、芦原温泉の屋台村などの写真と紹介文を作成。タイにメールで送り、チーム仲間のテプチャイ・ポウンマーリーさんらビジネス日本語学科の3人がタイ語に翻訳して、順次掲載している。

 バンコクはFB利用者が世界の都市で最も多いとされ、現地から「行ってみたい」などのコメントが寄せられ始めた。澤田さんたちは取材仲間を募って学生サークルを4月に設立する予定で「ローカルから有名観光地まで、興味を引く情報を届けたい」と話している。

 県によると、2015年統計(速報値)の福井県の外国人宿泊者数は5万9千人で、石川県(51万3千人)や富山県(20万1千人)に大きく水をあけられている。このうち、タイ人の福井県宿泊者は国別6位の推計約1800人。県が14年開設のタイ事務所を拠点に旅行会社へ売り込みを掛けており、前年比2・8倍と伸び率は最も高かった。

 福井大産学官連携本部の竹本拓治准教授(42)は「タイはGDPが上昇していて、次世代の富裕層に今からアピールしていけば、他県を逆転するチャンスがあるはず」と期待している。FBページアドレスは同本部ホームページで紹介している。

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