第88回選抜高校野球大会1回戦・福井工大福井-智弁学園 制球に苦しみながらも完投した福井工大福井の田中嵐士=甲子園

 第88回選抜高校野球大会は20日、甲子園球場で開幕し、開会式後の第1試合は智弁学園(奈良)が4—0で福井工大福井を下し、2回戦に進出した。

 福井工大福井のエース右腕田中嵐士は開幕戦でも緊張はなかった。甲子園初マウンドは、対策を練りに練って挑んだ。しかし、序盤制球に苦しみ、勝負強い智弁打線の前に屈した。

 約10時間。バッテリーが智弁打線を研究した時間だ。考え抜いて導き出した答えは一つ。「直球に強い。低めの変化球で抑える」

 この日投じた128球中、半分以上は変化球。スプリットなどで打ち損じを誘って要所をスライダーで締める。そうすれば後半に直球も生きてくる−。そんなプランを描いていた。

 しかし、丁寧に行き過ぎた。一回。絶好の先制機を逃した直後の投球。変化球が決まらない。2四球で一、二塁。次打者に高めに浮いた直球を中越えに運ばれ、たった1安打で2失点。完全に出はなをくじかれた。

 四回には変化球を捉えられ、3連打で2失点したが「ストレート主体に変えれば勝負する球がなくなる。相手の思うつぼ」。攻め方は変えなかった。球が低めに集まりだした五回以降は持ち前の粘りを発揮。毎回走者を背負っても本塁だけは踏ませなかった。八回には、三走の動きを見て瞬時にウエスト。スクイズをかわす冷静さもあった。

 大須賀監督は「4点ぐらいは覚悟していたし、ピンチでよく抑えていた。投手としては上出来」と後半の粘投をたたえた。「もっと(大舞台で)実力を発揮できる精神力を養って投球の幅を広げたい。夏帰ってきたい」(田中)。ただの負けにはしたくない。

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