第88回選抜高校野球大会の開会式で、優勝旗を返還する敦賀気比の林中勇輝主将=20日午前、甲子園球場(代表撮影)

 「先頭は前年優勝、敦賀気比高校」。北陸勢初のセンバツ制覇から1年。紫紺の優勝旗を持って敦賀気比(福井県、北信越代表)が全員で甲子園に帰ってきた。「敦賀気比の名に恥じないように、堂々と歩こう」(林中勇輝主将)。その言葉通り、先陣を切ったナインは“王者”にふさわしい力強い行進で聖地を一周した。

 午前9時。待ちに待った球春が到来。第88回選抜高校野球大会の開会式が始まった。右翼席の入場ゲートから最初に姿を現した、縦じまのグレーのユニホーム。「敦賀気比高校」。前回王者の名が高らかに響き渡ると、4万3千人が詰めかけたスタンドから拍手がわき起こった。

 「全員で優勝旗を返しに行く」。昨秋、選手たちは何度もこの言葉を発し、チームを奮い立たせてきた。優勝校というプレッシャーに打ち勝ち、戻ってきた大舞台。歴史が詰まった優勝旗をしっかりと握る林中主将。優勝杯をがっちりと持つ本間太一副主将。それぞれが誇りを胸に、高校野球の聖地を一歩一歩踏みしめていた。

 出場32校が一堂に会する晴れ舞台で演奏された校歌。そして、優勝旗の返還。特別な開会式を終えた林中主将は「(昨年の)全国制覇をあらためて実感しましたし、大きな声援をもらいうれしかった」と晴れやかな表情を浮かべた。

 春連覇。史上2校しか遂げていないこの偉業に今年は敦賀気比が挑む。林中主将は「優勝旗を返したら僕たちは挑戦者。一戦ずつ全力で戦います」と静かに闘志を燃やした。

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