有害物質の硫酸ピッチを大量保管した福井市中町の倉庫が大雪で倒壊した問題で、県は十四日、廃棄物処理法に基づき中和処理の行政代執行に着手した。県が硫酸ピッチ処理の代執行を行うのは初めて。

 県は同日、倉庫に持ち込んだ硫酸ピッチを適正処理しなかったとして、同市内の男(54)=別の廃棄物処理法違反事件で大津地裁で公判中=を同法違反(措置命令違反)容疑で福井南署に告発、受理された。また同署は同日、男に対する同法違反(指定有害廃棄物の保管違反)容疑で現場検証した。

 倉庫は昨年十二月十五日に倒壊。県は一月三十日、男に適正処理を命じたが、三月三日の期限までに処理しなかったため代執行に踏み切った。

 硫酸ピッチはタール状の強酸性物資。県廃棄物対策課によると、代執行ではドラム缶三百四十本分を、アルカリ性の消石灰を使って現地で中和処理する。費用は約九百三十万円。中和処理後に生じる粉状の廃スラッジは、男や土地の所有者に適正処分を命じる。

 代執行は同課職員、処理業者の作業員ら約二十人が午前十時に着手。除雪後、ブルーシートの中のドラム缶を確認したり、中和処理機材の設置準備作業などを進めた。

 十五日は、降雪の状況を見ながら倉庫屋根の撤去などを行う。実際に中和処理が始まるのは二十日ごろで、三月末までかかる見込み。

 同課によると、今のところ、硫酸ピッチが水に混ざって外に漏れたり、亜硫酸ガスが発生する可能性は低いという。

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