7年間の思い出話などに花を咲かせる地元住民と歴代のコウノトリ支局員=12日、福井県越前市曽原町の同支局

 国の特別天然記念物コウノトリをシンボルに、未来の子どもたちに自然豊かな福井を残す環境キャンペーン「みらい・つなぐ・ふくい」プロジェクトを進める福井新聞社は、2009年から福井県越前市曽原町に設けているコウノトリ支局を3月末で閉じ、新年度から機能を武生支社(同市蓬莱町)に移す。これに伴い12日、同市白山・坂口地区の住民を招いた感謝祭を同支局で開き、約7年にわたって地域とともに広げてきた共生の輪を確かめ合った。

 同支局は、福井新聞創刊110周年の09年1月にスタートした同プロジェクトの取材・交流拠点として、曽原町の古民家に開設した。支局員の記者は農薬や化学肥料を使わない農業、里山暮らしを実践。日本の自然界で絶滅したコウノトリを呼び戻すため、自然環境や中山間地の課題を地域の一員として考える“当事者報道”に取り組んできた。

 昨秋に同市白山地区でコウノトリの放鳥が実現したことを大きな節目として、曽原町の支局を閉じる。新年度から、しらやまいこい館(同市都辺町)内の「コウノトリPR館」には支局サテライトを置き、同市と共同で共生の価値を発信する。

 感謝祭には、曽原町の住民や、白山、坂口両地区の振興会など主要団体から約40人が集った。福井新聞社の青山直弘常務が「地元の皆さんに記者、社員を育てていただいた」と感謝を述べた。地元を代表し、支局の隣家で「水辺と生き物を守る農家と市民の会」顧問の堀江照夫さんが「記者が農業や炭焼きなどの体験を通じて情報を発信し、コウノトリ放鳥という結果も得られた」と語った。

 参加者は、イノシシ肉を使った地元住民手作りのぼたん汁など地域の伝統料理を囲みながら、歴代支局員と思い出を語り合った。

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