高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じる大津地裁の仮処分決定を受け、西川一誠福井県知事は9日、県庁で記者団の取材に応じ、地裁や裁判官によって再稼働をめぐる判断が変わる状況に「立地地域の不信や不安が危惧され、こういう状態を遺憾に思う」と述べた。

 2基をめぐっては、昨年4月に福井地裁が運転差し止めの仮処分を決定し、知事は同12月、異議審の結論が出る前に再稼働に同意した。その2日後に地裁は決定を取り消して3号機が再稼働し運転中だが、再び停止を命じられた。

 知事は「われわれが県民や国民の信頼に応えようと努力している中、(司法判断で)こういう事態が繰り返し起こり、不信や不安の影響が危惧される」と揺り動かされる地元の苦悩を言い表した。また政府や原子力規制委員会が今回の決定に正面から向き合い、原発の重要性や安全性の国民理解を進めていくべきだと強調した。

 高浜町の野瀬豊町長も同日、鹿児島地裁や福井地裁が仮処分の申し立てを却下していることに触れ「地裁ごとに判断がばらつくのは、立地自治体としては翻弄され、ある意味もてあそばれているような状況にあると思う。残念な判決だ」と記者団に厳しい表情で話した。「国の方針に協力する地域住民は何を信じて、何をよりどころにしてやっていけばいいのか。信頼性がなくなる」と不安を口にした。

 仲倉典克県議会議長は「地裁ごとに異なる判断をすることにより、県民に不安や不信感を与えることを危惧する。国は原子力の必要性や安全対応がしっかりできていることについて国民の理解を深める努力をすべきだ」とのコメントを出した。

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