小浜の地元料理を前に、乾杯するフードキャラバンの参加者=6日、福井県小浜市の旧阿納尻小

 山と海をつないで若狭湾に恵みをもたらす“水の旅路”をたどる食のイベント「ふくいフードキャラバンin小浜」が6日、福井県小浜市内で開かれた。福井新聞連載「まちづくりのはじめ方」企画班が県内各地を巡り、地域の人たちと一緒につくるまちづくりイベントの第7弾。県内外から参加した21人は山と海辺の湧き水を飲み比べたり、森から運ばれた栄養分を受けて育ったカキやワカメを味わったりして、若狭の食を通じ自然のつながりを体感した。

 市民グループや福井県立大、小浜市でつくる「小浜市海のまちづくり協議会」と企画班が連携して開いた。同市は地下水が豊富で、市民の飲み水の多くを支える。山々の栄養分を含む地下水が長年かけて海底から湧き出し、豊かな海の幸をもたらしている。

 参加者は、同市下根来の「鵜の瀬」で山の湧き水を試飲。海近くで湧き出る雲城水と津島名水も飲み、微妙な違いを確かめた。一番町の和菓子店「伊勢屋」では、店主の上田藤夫さん(63)が「水がよくないとおいしいお菓子はできない。きれいな湧き水を守っていきたい」と参加者に語りかけた。

 矢代集落で旬を迎えるワカメの収穫を体験し、仏谷集落ではカキの養殖を見学。漁師の作業小屋で蒸しガキを楽しんだ。仏谷漁家組合の川端嘉幸組合長(62)は「カキが大きく育つには、山からもたらされる栄養が大切。山が荒れれば、海も荒れてしまう」と話した。

 夕食の会場は、郷愁を誘う旧阿納尻小の木造校舎の教室。料理は矢代の民宿「かどの」の角野恵美子さん(60)らが担当した。サバのへしこのなれずしや新ワカメのしゃぶしゃぶ、アイゴのあぶり焼きなど地元でしか食べられない料理が並んだ。地元の画家藤田京子さん(79)が手掛けた光のオブジェを配置し、貝殻や卵の殻を用いた模様の若狭塗と、同県鯖江市の越前漆器の食器が食卓を彩った。

 同県敦賀市の大橋夕紀さん(33)は「湧き水のつながりは、同じ嶺南に住んでいても知らなかった。県内にはまだまだたくさんあるはずの隠れた魅力が、もっと広まっていってほしい」と話していた。

 フードキャラバンの内容は、2月のあわら市を含め、動画にして福井新聞ホームページで順次発信している。

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