実物大の全身骨格パネルを前に、福井県勝山市で発掘された新種の恐竜「フクイベナトール・パラドクサス」を発表する福井県立恐竜博物館の東特別館長=26日、福井県庁

 福井県勝山市の福井県立恐竜博物館は26日、同市北谷町杉山の約1億2千万年前(白亜紀前期)の手取層群で2007年に発掘された羽毛恐竜の小型獣脚類の化石が、マニラプトル形類の新属新種と公式に認定され、学名を「フクイベナートル・パラドクサス」と付けたと発表した。原始的な羽毛恐竜の特徴と、鳥類に近い進化的な特徴を併せ持つ極めて特異な種。同館は、鳥の起源である羽毛恐竜の進化を解明する上で、貴重な指標になり得るとしている。

 福井県立大恐竜学研究所の東洋一特任教授と同博物館の今井拓哉研究職員ら6人の共同論文が23日、英国のオンライン学術雑誌「サイエンティフィック・レポート」に掲載された。

 学名の意味は「逆説の福井の狩人」。「パラドクサス」は「逆説」を意味するラテン語で、羽毛恐竜の中で原始的な種でありながら進化的な特徴も持つことに由来する。「ベナートル」は「狩人」の意味で、主に獣脚類の学名に使われる。国内で発見された恐竜化石で学名がついたのは7例目、県内では5例目。

 研究の結果、現生鳥類に匹敵する聴力を持ち、前肢の長さや、頭の骨の形状も鳥類に近い特徴があることが判明。一方で大腿(だいたい)骨や肩の骨などに原始的な特徴が見られ、羽毛恐竜としては初期段階の種として位置付けられることが分かった。歯や首の骨の形状から、雑食性だったと考えられている。

 化石は同一個体の上顎(じょうがく)骨、頸椎(けいつい)など約160点で、全身の約70%に当たる。同一個体の骨がこれだけ多く見つかるのは、国内で初という。推定全長は、約1・3メートルのしっぽを含め2・45メートル。鳥類のような体を軽くする構造が骨にあったと考えられ、体重は25キロと推定される。大人になりかけの亜成体の個体という。

 26日から同博物館の常設展示コーナーで、実物化石などを展示している。

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