中西組傘下の組事務所で警戒するパトカー=25日、福井市内

 福井県警によると県内の暴力団は6組織あり、構成員・準構成員は計約300人とみられている。これまで全組織が指定暴力団山口組の傘下にあったが、昨年8月末の分裂で敦賀市の正木組が「神戸山口組」幹部に転じた。23日には正木組への襲撃事件が起き、捜査員が各地で報復を警戒する事態となっている。

 県内の組員は、1991年制定の暴力団対策法や、全国で随時定められた暴力団排除条例といった規制強化を背景に減少傾向にある。県暴力追放センター(福井市)によると、同年の構成員・準構成員は約550人で、組織は18に上った。「法律が厳しくなり、組員の資金獲得活動は確実に難しくなっている」(捜査関係者)とされる。

 とはいえ、組員が絡む事件は後を絶たず、暴力団との関わりが深いとされる違法薬物をめぐっては昨年、この10年で最多となる73人が県警に摘発されている。県警は2004年に組織犯罪対策課を新設して以降、暴力団壊滅を最重要課題の一つに位置付けて取り締まりを続けてきた。

 国内最大組織である山口組の分裂は暴力団をめぐる情勢を不透明にし、対立抗争の恐れもあることから、全国の警察が神経をとがらせる。捜査関係者によると、県内では正木組が傘下組織を引き連れ離脱、数十人が神戸山口組に移ったとみられ、嶺北地方の別の組(現在は解散)の幹部と正木組が接近しているとの情報もあるという。県内の勢力争いはなお流動的といえる。

 23日には、山口組系中西組(大阪市)の傘下組員が正木組事務所などに拳銃5発を撃ち込み逮捕された。分裂後、拳銃を使った事務所襲撃は全国で初めて。県警は事件後、事務所の警戒に当たる警察官を増員し引き続き24時間態勢を敷いているほか、福井市内にある中西組傘下の別の組事務所に警察官を張り付かせるなど厳戒態勢を取っている。

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