くちばしをつつき合うふっくん(左)、さっちゃん=福井県越前市(福井県提供)

 福井県が越前市白山地区で飼育している国の特別天然記念物コウノトリ「ふっくん」「さっちゃん」ペアが、同地区で5回目の繁殖期を迎えている。県は2016年度以降も福井生まれのコウノトリの放鳥を目指す方針。関係者は同地区でまだ産まれていない同ペアの有精卵と、14年に続くひな誕生を待ち望んでいる。

 ことしは昨年と同じ2月3日に、ふっくんがさっちゃんの上に乗ろうとして足を上げる交尾行動らしき姿が確認された。現在は、ほぼ毎日交尾行動を試みるようになり、繁殖に向けた意欲が高まっている。

 県、越前市の飼育スタッフは繁殖の刺激になるとされる生き餌として地元住民から寄贈された養殖ドジョウを定期的に与え、木の枝をケージに入れるなどして繁殖を促している。スタッフによると、2羽の様子は昨年とほぼ変わらないという。

 昨年はひなが生まれなかったため、子育てに約1年のブランクができた。兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園の船越稔主任飼育員は「(ふっくん、さっちゃんが)郷公園にいた時は2年間空いた後でひなを育てた実績がある」と説明し、問題はないとの認識を示す。

 県は、同ペアがことし産んだ卵が無精卵だった場合は14年と同様に他ペアの卵を温めさせる托卵(たくらん)を行う方針。コウノトリの飼育繁殖や野生復帰に取り組む全国の施設、自治体でつくる組織に有精卵の提供を申し入れている。

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