漁村に残る歴史的価値の高い史跡や施設として水産庁が十七日発表した「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に、本県から唯一、小浜市泊の「韓国船遭難救護の碑」が選ばれた。

 韓国商船の乗組員を救護した歴史を顕彰する同市の石碑は、九十三人の韓国船乗組員を救助してから百年がたったのを記念して、二○○○年に同市が設置。約六十センチの土台の上に据えられた碑には「海は人をつなぐ母の如し」と銘文が刻まれ、裏には救助された乗組員からの礼状が彫られている。

 ○三年十月には石碑前で同市の姉妹都市、韓国・慶州市や同じような史実を持つ鳥取県の関係者らを招き「日韓友好のつどい」を開催。以後、韓国の高校生が同区を訪れるなど地元の人たちとの交流も活発で小浜市の国際交流拠点の一つとなっている。

 今回の選定は、日韓友好の礎として歴史文化的に価値が高いと評価された。同市は「今後も慶州市との交流などを通じ、日韓の市民交流を続けていきたい」としている。

 百選は都市と漁村の交流を深める狙いで、昨年九月から募集。応募総数三百五十件のうち一次選定を通過した二百二十七件について▽地域固有の漁業文化に根差している▽歴史的事実があり文化上価値が高い—などを基準に、作家の立松和平さんら有識者による選定委員会を設け百件を選んだ。

 同市のほかには、住居の一部が船着き場になっている京都府伊根町の「舟屋群」や、明治時代にニシン漁の漁師が宿泊した北海道小平町の「旧花田家番屋」など四十都道府県の史跡、施設が選ばれた。

 同庁は百選の認定証を発行し漁村の観光振興などに役立てていく。

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