美浜町が計画する温泉を利用した産業活性化拠点施設の建設について、町と共同研究を進めてきた福井大の基本計画がまとまり、十四日、町会全員協議会で報告された。温泉施設をはじめ、特産品の展示販売や農産物の加工、体験農園の四施設を備えた複合的な施設計画案が提示されたが、利用者の需要予測から「年間千万円超の赤字が見込まれる」との試算が示された。


 同町大薮の町有地に建設を予定する施設の総面積は二千六百十七平方メートル。温泉施設(千百三十九平方メートル)は二階建てとし、一階には内湯と露天風呂のほか家族向けの浴室を設置。二階の和室と多目的室からは久々子湖を一望できる配置とする。

 その他の施設規模は、特産品の展示販売などをする施設(五百五平方メートル)、農産物加工や研修が行える施設(五百十二平方メートル)、特産品の改良や生産を行う体験農園(八十一平方メートル)など。駐車場は約百三十台を確保し、上部には太陽光発電装置を設置する。

 需要者数は町民と観光客が利用した場合、年間約八万人の利用者が見込めると想定し、福井大工学部建築建設工学科の高嶋猛講師は「想定される需要予測からは、年間当たりおおむね千万円から千四百万円の赤字が見込まれる」と説明。需要を伸ばすには町民の利用率と年間の利用回数を高めることが重要で、指定管理者制度の導入や太陽光発電を取り入れることでコストを引き下げることも可能とした。

 また温泉の効能などについての研究報告もあった。湧出(ゆうしゅつ)する源泉はラドンを多く含む「療養泉」とされていたが、「ナトリウム—炭酸水素塩温泉(アルカリ性低張性温泉)」であることが分かり、循環機能の促進とリラックス効果があるとした。

 山口治太郎町長は同大からの説明後、「町民の福祉向上や医療費削減の観点など総合的に判断し、町民の意見を幅広く取り入れながら計画を練り直したい」と話した。

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