福井県警は組織犯罪対策課を設けてから覚せい剤の一掃に本腰を入れ、事件のたびに密売組織を壊滅させてきた。しかし、その後も大小のグループが現れては事件を起こす“いたちごっこ”が続く。手口も巧妙化しているとされ、県内に巣くう闇は依然、根深い。

 捜査関係者によると、県内では特定の暴力団が組織的密売を長く取り仕切っていたとされる。同課と福井署は、2011〜13年に組幹部(当時)ら男2人を譲渡容疑で逮捕。職業的な密売だったとして、県内では異例の麻薬特例法違反罪での起訴に至った。1人は裁判員裁判で懲役7年、罰金200万円、追徴金2015万円の判決が確定し、もう1人も公判を控える。

 県警は、2人が一度に数十グラム単位で仕入れては、大勢の顧客に売りさばいていたとみている。当時、譲り受けた側の男女も一網打尽にした。

 ただ、大阪府や愛知、石川県などの組織と結ばれた密売ルートは県内に複数あるとされ、売人は数多く残っているらしい。組幹部らの逮捕を受けて密売は巧妙化。以前は駐車場で横付けした車の窓越しに受け渡すケースが目立ったが、車の中に乗り込んで手渡したり、ロッカーや私書箱を使って客と接触せずにやりとりしたりする手口も出てきた。インターネット掲示板を使った隠語での売買も存在するという。

 県警は「使用者、所持者の周辺から入手先をたどる地道な捜査により、売買ルートを断っていく」と、違法薬物の根絶に一層力を注ぐ構えだ。

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