えちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れ便の停車駅

 福井県のえちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れ便の運行開始日が、あと1カ月後に迫った。事業者の異なる鉄道と路面電車が直通するのは全国初めてとなる。準備状況や課題を探った。

 乗客が日ごろ利用している背の高いホームのすぐ東側に、次世代型低床車両に乗り降りするためのホームの土台と上屋の骨格が姿を現している。ここは福井市北部のえちぜん鉄道三国芦原線の鷲塚針原駅。3月27日に始まる福井鉄道福武線との相互乗り入れに向け、工事のつち音が響く。

 相互乗り入れ便のえち鉄区間は、福井市の鷲塚針原—田原町(6キロ)で、停車するのは▽新田塚▽日華化学前▽福大前西福井—など6駅。このうち既に整備を終えている八ツ島と日華化学前を除く4駅で、低床ホームや信号電気関係の工事が急ピッチで進んでいる。鷲塚針原は折り返し駅となるため、上下線とは別に三つ目の線路を敷設する。

 福鉄との結節点になる田原町駅の北側には、相互乗り入れ便の低床ホームと一体化させた、えち鉄のホームと駅舎がほぼ完成した。2月下旬ごろ線路を接続する予定だ。

 えち鉄の豊北景一社長は「国と県、福井市の支援で順調に進んでいる。3月上旬までに完成させたい」と話す。

 一方、福鉄区間は田原町—越前武生(20・9キロ)で、福井、鯖江、越前の3市にまたがる。▽赤十字前(福井市)▽神明(鯖江市)▽家久(越前市)—など10駅と、福井市内の路面軌道区間にある▽仁愛女子高校▽公園口—など4停留場で乗り降りできる。

 田原町駅の南側にある福鉄の駅舎は2015年3月末に供用を始めており、ほかの駅のホームも低床化を終えている。ホーム幅が狭く、不便さが指摘されていた停留場の問題も、バリアフリー対応の新木田四ツ辻停留場が2月1日から利用できるようになったのを最後に解消した。福鉄の村田治夫社長は「お客さまに快適に利用していただくための環境が整った」と話す。

 だがハード整備を終えても、ただちに運行できるわけではない。「安全なしに安心はない」と国土交通省中部運輸局の梶川真一鉄道部長が強調するように、新たに設けた信号設備などが技術基準に適合しているかどうかをチェックする「完成検査」をクリアする必要がある。両事業者は国のお墨付きが得られ次第、ダイヤの空き時間に運転士の習熟訓練を現場で重ねる。

 ■相互乗り入れ えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の急行が、鷲塚針原(福井市)—越前武生(越前市)の26・9キロの区間に乗り入れる。運行開始日は3月27日。通勤通学客が多い午前6〜9時は、福大前西福井(福井市)—越前武生で上下合わせて4本運行する。所要時間は鷲塚針原—越前武生が現在の約80分から約60分に、福大前西福井—越前武生は約70分から約50分に約20分短縮される。福鉄福井駅前線(通称ヒゲ線)には乗り入れない。事業費は国と県、福井市を合わせて約26億円。

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