福井県産へしこに関心を寄せる「へしこの学校」の受講者=昨年4月、東京のふくい南青山291

 福井県内の漁師町に伝わる保存食「へしこ」の評価が、首都圏で高まっている。“食通”たちが県のセミナーを通じてへしこの味わいに注目し、2月下旬には受講者らが本県を訪れるバスツアーも行われる。都内の福井県アンテナショップの売り上げも好調だ。セミナー講師の1人は「脈々と受け継がれてきた福井の暮らしに根付いた食文化が、今の時代に求められているのでは」と分析している。

 「同じへしこでも微妙に味が違う」「サバ以外のへしこもあるの?」

 昨年4月、7月、11月に県が県産食材を首都圏にPRする事業の一環として東京で開講した「へしこの学校」。県内の専門家が発酵の仕組みを解説したり、受講者が産地や製法の違いを食べ比べしたりした。各回定員25人がほぼ埋まる人気ぶりだった。

 受講者にはシェフや料理研究家、料理雑誌の編集者ら食の専門家が目立ち、受講後にそれぞれがSNSや雑誌などの媒体を通じ、へしこの魅力を発信した。フードジャーナリストの山本洋子さん(東京)は「無農薬で育てたコシヒカリのぬかと自然塩を使い、福井の力を丸ごと詰め込んだ『プレミアムへしこ』をぜひ作ってほしい。福井の素晴らしい地酒とセットにしてブランド化すれば、世界発信できる」と太鼓判を押す。

 県アンテナショップ「ふくい南青山291」によると、本年度のへしこ関連商品の売り上げは、近年の発酵食品ブームも手伝って前年度比約10%増で推移。飲食店からの問い合わせも多いという。統括マネジャーの佐藤結子さんは「定番の居酒屋だけでなく、へしこをアンチョビのように隠し味に使いたいというレストランからの引き合いもある。一般客も含め、都内での認知度は確実に高まっている」と手応えを感じている。

 へしこの学校のバスツアーは27、28の両日に1泊2日で行われる。福井市の越廼漁協で特産のいかのへしこ漬けを体験するほか、永平寺の精進料理や奥越の酒蔵見学なども楽しむ。定員35人に対し、受講者ら約20人の予約が入っている。バスツアーには県内からも参加できる。宿泊なしの場合、参加費は1万7500円。問い合わせはふくい南青山291=電話03(5778)0291。

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 【へしこ】 サバなどの魚を塩漬けにした後、ぬかに漬け込んでつくる福井県沿岸部に伝わる保存食。魚をたるに漬け込むことを「へしこむ」と言ったことが語源との説がある。サバが最も生産量が多く有名だが、県内にはイワシ、フグ、イカなどのへしこもある。軽くあぶったり、刺し身にしたりして食べるのが一般的。

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