完成した「三岡へっつい」で炊かれたご飯に歓声を上げる人たち=7日、福井市の県生活学習館

 幕末の福井藩士・由利公正(三岡八郎)が考案したとされる幻のかまど「三岡へっつい」の再現作業が完了し7日、福井市の県生活学習館前で披露された。県と県左官工業組合が、歴史小説などに残るわずかな情報を頼りに想像して製作。来場者は燃焼効率が良いという構造の説明に、興味津々の様子で聞き入っていた。

 三岡へっついは、反射熱を生かすために鉄釜が釣り鐘を逆さにしたような形をしている。かまどは、粘り気が強く、耐久性に優れた越前町織田の土や石灰などで作り、たき口、通気穴など計4カ所の横穴が施された。通常の半分のまきの量でご飯が炊けるという。鉄釜と、その中に入れる3升5合炊きの羽釜二つは広島県の鋳物メーカーに依頼して作った。

 この日は、同組合の井上量博(ますひろ)理事長(75)が「かまどに穴が何個あったのかも分からず、最初は落書き程度の図面だった」と紹介し、「立派に仕上がった。(県などが取り組む)大河ドラマ誘致実現の一助になればうれしい」と話した。

 来場者約200人にご飯が振る舞われた。釜のふたを開けた途端、炊きたての良い香りが漂い、来場者から歓声が上がった。横山晴夫さん(50)=坂井市=は「幕末の知恵を今の技術が生かしていて、デザインも現代的。ご飯には弾力とコメ本来の甘みがあり、おいしい」と話していた。

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