北信越地区大会で優勝を決め喜ぶ敦賀気比ナイン=2015年10月18日、富山市民球場

 センバツ覇者の後を継いだ新チームは破竹の勢いで勝ち上がった。福井県大会、北信越大会で優勝を飾り、最大の目標だったセンバツ切符をほぼ手中に収めると、続く明治神宮大会では中国、東北地区覇者を下して16年ぶりの準優勝に輝いた。

 今年の敦賀気比も強い—。そう感じさせる戦績だが東哲平監督、ナインの思いは違う。「ずっと弱いと言ってきた。どうしてここまで勝てたのか分からない」。明治神宮大会決勝の敗戦後、指揮官は率直な心境を口にした。

 全国制覇を果たした中心メンバーは平沼翔太、篠原涼ら大半が3年生。2年生レギュラーだった林中勇輝や夏の甲子園で登板した山崎颯一郎は残ったものの、戦力の低下は否めなかった。準備期間はあまりに短く「大会の中で試しながら戦うしかなかった」(東監督)。

 ただ、こうした状況は選手間の競争心を育んだ。「他のメンバーには負けたくない。試合に出たら必ず打つ」(天野涼太)。し烈なレギュラー争いはチームを勢いづけた。結果を残した選手が“生き残り”、オーダーは試合のたびに変更した。

 「練習はいまいちでも試合になると光るやつはいる」。指揮官の言葉通り、勝負強さをみせる選手が次々と現れた。天野は初の4番で本塁打を放ち主軸の座をつかんだ。チーム一の高打率を残した植村は初先発で3安打の固め打ち。井戸川龍也は初めて先発でマスクをかぶった県大会決勝で完封に抑えるリードが光った。

 3選手はいずれも県大会は2桁の背番号だったが、明治神宮大会ではレギュラー番号に昇格。主将の林中は「大会途中から出た選手が活躍して、試合を重ねるごとにチームがまとまった」と秋の躍進を振り返る。

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 大会後、東監督は「選手たちにここまでやったという自信を持たせたい」と繰り返し強調する。そのためには「練習しかない」ときっぱり。冬の地道なトレーニングが春に花開くことを、先輩を見てきたナインは知っている。センバツの主役は俺だ—。そう言わんばかりに必死に汗を流す選手たち。たくましさを増して聖地に凱旋する姿が今から楽しみだ。

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