小浜市一番町周辺にわき出る名水「雲城水(うんじょうすい)」を守る住民有志でつくる「一番町振興組合」は、市内の酒造メーカーとのタイアップで、雲城水を使った日本酒造りに乗り出す。五日に同町にある雲城公園の自噴井戸から取水した。お酒は四月中旬に完成する見込みで、組合は「古来から豊かな食文化を支えた雲城水をアピールするチャンス」と期待を寄せている。

 商品化を持ち掛けたのは同市の酒造会社「わかさ冨士」。全国の名水を知る同社の杜氏(とうじ)、山岸昭治さん(63)がその水質にほれ込み、雲城水を広く知ってもらいたい組合にとっても渡りに船となった。

 商品企画は組合が担当。銘柄は上根来の水源の水が地中深くで自然のフィルターでろ過され、約百年かけて一番町にわき出るという雲城水の由来にちなみ「百伝(ももつた)ふ」と名付けた。ラベルや箱のデザインもほぼ完成しているという。

 取水に先立ち執り行われた神事には、組合員約十人と山岸さんが出席。小浜神社の香川政直宮司が祝詞を読み上げ、組合の小川和彦理事長(60)が酒樽(さかだる)にくんだ水を、山岸さんに手渡した。

 この日は約一トンをタンクに取水した。今後三回に分けて計約四トンを取水する。酒米には県産「五百万石」三千二百キロを使い、十六日から十九日まで仕込みを行う。三月初旬には初搾りできる見込みで、四月中旬をめどに地元の酒屋で一升瓶千本を限定販売する。

 山岸さんは「雲城水は軟水で、酒造りには最高に適している。少し甘口でこくのある酒に仕上げたい」と意気込み、小川理事長は「どんな酒ができるか楽しみ。春のお城祭りは新酒で楽しみたい」と、出来上がりを心待ちにしている。

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