北陸新幹線敦賀以西ルート案

 北陸新幹線敦賀以西ルートをめぐり、関西広域連合が従来方針の「米原ルート」を撤回する中、JR西日本が要望する「小浜—京都」案と、京都府側が求める「小浜—舞鶴—京都」案がクローズアップされている。いずれも小浜を通るが、舞鶴経由だとルートが西に膨らみ、コスト高になる上、時間短縮効果が薄れる。ただ、福井県側は「京都のことは京都で決めて」と、一定の距離を置く。表立って舞鶴経由を否定し京都と対立すれば、40年来の悲願であるルートの実現そのものに影響するとの懸念が背景にある。

 ■動きが活発化

 もともと、舞鶴経由は与党検討委員会の西田昌司参院議員(京都府選出)が昨年8月に提案し、議論の俎上(そじょう)に載った。西田氏は同11月に検討委の委員長に就任。「京都駅通過はマスト(絶対条件)。今後も(舞鶴経由案を)主張していく」と話している。

 歩調を合わすように今年1月、ルートについて慎重だった同府の山田啓二知事が「京都の舞鶴や北部へ延伸するよう主張する」と発言。北部の7市町の首長や議長らも同様の要望書を山田知事に提出するなど、動きは活発化した。

 ただJR西の真鍋精志社長は1月26日の検討委の後、利便性と速さから「小浜から京都直通が基本」と述べ、暗に舞鶴経由を否定している。

 ■県民の理解は

 JR西の「小浜—京都」案の場合、小浜からの距離は約70キロ。一方、「小浜—舞鶴—京都」は、在来線から計算すると約137キロになる。建設コストが増え、時間短縮効果も薄れる。福井県のある国会議員は「早く大阪までと言いながら、舞鶴経由はいかがなものか」と疑問を呈する。

 「小浜—京都」より舞鶴経由の方が、県内の建設距離が長くなり、福井県の負担額は増えるのは必至。県議の中には「負担が大きくなり、時間がかかるのでは県民理解が得られない」との声もある。

 ■冷静な議論を

 福井県の西川一誠知事は昨年12月の会見で「ルート決定に際し、時間短縮効果、負担を念頭に置く必要がある」と述べたが、具体的なルートには踏み込まなかった。県議会北陸新幹線整備促進議員連盟の山本文雄会長も「府内のルートは、京都で議論すべき問題」と距離を置く。

 関西広域連合が米原ルートを主張していた中で、福井県議会は京都府議会と議論を重ね、若狭ルートの優位性を説得してきた経緯がある。別の県議は「舞鶴経由には賛成しかねるが、米原ルートを打ち消す意味では、一致してきた。福井と京都が対立することは、小浜回り実現の足かせになりかねない」と悩ましさも打ち明けた。

 与党検討委は2月中に、京都府知事と京都市長を呼び意見を聞く予定で、府知事は舞鶴経由を要望するとみられる。長年、県内延伸に取り組んできた福井商工会議所の宮崎和彦専務理事は「整備新幹線は多額の国費が投入されるため、国民の理解が必要。国土強じん化や交通のリダンダンシー(多重性)、経済効率などを踏まえた冷静な議論が必要」と指摘する。

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