福井県小浜市漁協は、同市が起点の鯖街道が昨年4月に文化庁の「日本遺産」に認定されたことを受け、今夏からマサバの養殖に乗り出す。観光客らに付加価値の高い刺し身にして提供し、漁家所得の向上につなげていく考え。同市田烏沖の海面を利用して6〜7月から養殖を始め、翌春以降に随時、水揚げしていく方針。

 福井県が25日、福井市の県水産会館で開かれた「福井海区漁業調整委員会」で同市漁協から受けた要望書について説明。新規漁業権に関する免許内容案を諮問した。

 計画の概要や県水産課の説明などによると、初年度の養殖規模は1千匹。稚魚は四国や九州など県外から仕入れる。新たな免許予定区域は現在、ブリやマダイ、カワハギなどが養殖されている海面と同じ水深約20メートルの区域で、直径または一辺が6〜7メートルのマサバ用いけす1基を新設する。

 生産や魚価などが順調に推移すれば、2018年度以降に同型のいけす1基を増設。その後、さらに増やしていくことも想定している。

 福井海区漁業調整委は諮問を受け、2月16日に免許内容案に対する公聴会を開催。委員の意見をまとめて問題がなければ、免許内容の決定と告示を行い、6月の免許交付を予定している。

 小浜市漁協は「鯖寿司」「丸焼きサバ」など観光客らに人気の高いマサバ養殖に着目。検討を進めていたところ、昨年、文化庁の日本遺産に「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群〜御食国若狭と鯖街道〜」が認定され、「漁家所得向上につながる」と判断した。県水産課によると、サバの養殖事例は全国でもあまり多くないという。

 マサバの養殖には、旧小浜水産高が県立大などと連携し、小浜湾内で試験研究として取り組んだ実績がある。

 今回、小浜市漁協が養殖を行う海域も波が比較的穏やかで、成長が見込める。同漁協関係者は「他県では、300〜500グラムで3千円の値を付ける例もある。そこを目指し、やっていきたい」と話している。

関連記事
あわせて読みたい