福井大と福井大地域共同研究センター協力会は二十六日、産業界との交流を図る「FUNTEC(ファンテック)フォーラム」を福井市の福井商工会議所ビルで開いた。新産業創出に結びつけようと大学が取り組んだ研究成果を発表。越前ガニの殻を農薬や健康食品に応用する研究などが注目を集めた。

 フォーラムには、約百六十人が出席。同センターが学内から募った研究シーズ(種)七件について研究者が説明。パネル展示の五件と合わせ、実用化を視野に入れた共同研究を企業に呼び掛けた。

 「越前ガニの有効利用〜カニ殻を農薬や健康食品に応用」は、医学部の木元久助手と藤井豊助教授の共同研究。カニ殻を畑や水田にまくことで、作物が病気に強く、収量が多くなるといわれる本県の伝承農法に着目。

 福井工大の草桶秀夫教授が発見したフクイネンシスという本県固有の土壌細菌があり、これによってカニ殻が分解されると、植物病原菌に対する攻撃性が強くなり、根が丈夫になるメカニズムを解明した。

 この土壌細菌はキチン、キトサン、グルカンという酵素を同時に生み出す世界的にも珍しい細菌。カニ殻のキチン、キトサン成分がオリゴ糖化し、抗菌性や耐病性を持たせる。この機能がバイオ農薬として活用できるほか、オリゴ糖で最も人体に有効な組成となるため、健康食品分野への応用も期待される。

 藤井助教授は「ブランドとして確立された越前ガニを使った農作物はよりブランド力が増す」と話した。

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