福井県は二十五日、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に登録された三方五湖で、十年ぶりとなる淡水魚類の生態調査を始めた。五湖には登録要件ともなった固有魚のハスが生息するとされるが、十年以上未確認。果たして”幻の魚”は見つかるのか。関係者の期待も膨らんでいる。

 調査は一九九六年以来で、二○○七年末までの二年間行う予定。五湖では環境の再生に向けた取り組みが急務となっており、県は保全策の基礎資料として活用したい考え。

 今回の調査は三方湖が対象で、十二月まで継続する。久々子、菅、水月湖は○七年の一年間で実施。日向湖は塩水湖のため調査対象外とする。

 各湖の調査は月に一度定期的に行い、それぞれ四カ所に網を仕掛けて魚を捕獲する。県海浜自然センターによると、過去の調査は魚種だけを調べていたが、今回はより細かな生態を把握するため、個体数やサイズなども調べるという。年間を通し行うことで、季節による魚種の変動も見る。

 五—十月にかけては、三方湖に注ぐ高瀬川など六つの流入河川で産卵のために遡上(そじょう)する魚類の調査も行う。

 調査初日の二十五日は、鳥浜漁協の協力を得て、同センターや若狭町の職員ら計八人が三隻の船に乗り込み、三方湖に向かった。仕掛けは四カ所に設置。漁師たちの長年の経験から、魚道と推測される場所に袋状になった網を広げ、手分けして湖の中に入れた。

 二十六、二十七日の両日、二カ所ずつ網を引き上げて実態を見る。調査には今後、専門家や地元団体も参加する。

 三方五湖には県域絶滅危惧(きぐ)Ⅰ類に指定されたハスが生息するとされるが、一九九三年以来目撃されていない。調査ではハスをはじめ、イチモンジタナゴ、タモロコなどラムサール条約の登録要件となった固有魚の確認も期待される。

 調査に立ち会った「ハスプロジェクト推進協議会」の吉村義彦会長は「調査結果は湖を保全するための貴重な基礎データになるだろう。ハスが見つかってほしい」と話している。

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