全国の書店員の投票で決まる2016年本屋大賞のノミネート作10作品が20日、公表された。福井市出身で在住の宮下奈都(なつ)さん(49)の「羊と鋼(はがね)の森」(文芸春秋)が選ばれた。同作は19日に決まった直木賞の候補作にもなった。人気お笑い芸人の又吉直樹さんの「火花」などが含まれている。4月12日に大賞が発表される。

 対象となるのは14年12月1日から15年11月30日の間に刊行された小説。2次投票を経て、大賞が決まる。

 宮下さんの作品は、ピアノの調律に魅了された青年が楽器店に就職し、調律師として、人として一歩ずつ成長していく長編小説。ピアノは鍵盤を押すと、羊毛を固めたフェルトのハンマーが鋼の弦をたたき音が出る。ピアノを森に例えて物語が進む。

 宮下さんは、「誰かが足りない」(双葉社)で12年本屋大賞の7位に選ばれている。今回の直木賞は逃したが、「調律を通して文学的表現を考えていこうとしたところに二重奏的な深みがある」と高く評価された。

 ノミネート作は以下の通り(敬称略)。

 辻村深月「朝が来る」(文芸春秋)▽米沢穂信「王とサーカス」(東京創元社)▽住野よる「君の膵臓をたべたい」(双葉社)▽中村文則「教団X」(集英社)▽中脇初枝「世界の果てのこどもたち」(講談社)▽深緑野分「戦場のコックたち」(東京創元社)▽西川美和「永い言い訳」(文芸春秋)▽宮下奈都「羊と鋼の森」(文芸春秋)▽又吉直樹「火花」(文芸春秋)▽東山彰良「流」(講談社)

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