北陸新幹線敦賀以西ルートをめぐる発言

 北陸新幹線敦賀以西ルートを議論する与党検討委員会が21、26日に相次いで開かれる。大阪府と大阪市、さらに“本丸”のJR西日本とJR東海から意見聴取する予定だ。同検討委の議論開始から5カ月余り。沿線府県の首長らの発言を振り返ると、京都駅を通る若狭(小浜)ルート支持が最も多い。

■北陸3県■

 石川県では、県議会が「米原ルート」を決議しており、同県の谷本正憲知事は「国土交通省が各ルートの(建設費や財源、経済波及効果など)データを出せば、おのずと決まる」と慎重な立場だ。

 一方、富山県の石井隆一知事は15年9月に「京都駅経由が望ましい」と発言。「敦賀から素直な形で京都、大阪へ行けるように望む県民が多い」とも述べた。「素直な形」との表現は、米原ルートではなく、乗り換えなしのルートを意味するとの見方が多い。JR西が検討している京都駅を通る若狭ルートも念頭に置いているとみられる。

 若狭ルートを主張する福井県の西川一誠知事は、4日の年頭会見で「最近はおおむね意見の収れんができつつある」とした。ある福井県議は「京都駅経由の若狭ルートなら北陸3県がまとまれるという意味だろう」と、発言の真意を推測する。

■関西府県■

 関西広域連合は13年、費用対効果など独自の試算をした上で、米原ルートの整備を国に提案している。滋賀県の三日月大造知事も当時の試算などを根拠に一貫して同ルートを主張しており、12日の会見では「財政状況や地域特性を考え一番合理的」と述べた。

 ただ温度差もある。連合長の井戸敏三兵庫県知事は、15年11月に「JR西からルート案が公表された段階で、従来の方針(米原ルート)のままでいいのか検討することになると思う」と再検討を示唆した。ルート問題に慎重な姿勢だった京都府の山田啓二知事も5日、「(若狭ルートが支持されれば)舞鶴や(京都)北部へ延伸するよう主張していく」と一転して踏み込んだ発言をした。米原ルートについては「JRの拒否反応が強い」と課題を指摘した。

 これに対し「首長が『どのルートで』と言い出さない方が良い」と距離を置くのは大阪府の松井一郎知事。「決定権者は国。どのルートでも結構だから、早く決めて」とも述べている。この発言について石川県の谷本知事は「人ごとみたい。大阪府が先頭に立って、早期開業を盛り上げて」と苦言を呈した。

■経済界■

 経済界はどうか。若狭ルートを支持する福井商工会議所の川田達男会頭は、米原ルートは「乗り換えが必要で、今より不便になる」とする。また、小浜から舞鶴を経由するのは「時間がかかり、あまり意味がない」との見解だ。

 北陸経済連合会の久和進会長は「石川、富山では京都(駅)を通らない従来の若狭ルートはいかがなものかという意見が多い」とする。ただJR西が検討する「京都駅を通る案にはそれなりに意味がある」と一定の理解を示す。
 JR西案の早期延伸を支持する京都商工会議所の立石義雄会頭は「(自治体を含めた)オール京都として、そういう選択になる」と主張。関西経済連合会も、JR西案を含むルートを検討している。

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