三月に名田庄村と合併する大飯町が、全職員の給与を一月一日付で一斉に引き上げたことが六日分かった。同町は「定期昇給の時期を早めた」としているが、県市町村課は「全員一斉の昇給は不適切」として同日、町に再検討を求めた。

 町によると、昇給は約百三十人の職員全員が対象。一律一段階ずつ引き上げ、一人に付き月約四千—九千円を増額した。

 同町では毎年一、四、六、十の各月に分けて一人年一回の定期昇給があるが、今回について時岡忍町長は「合併前で仕事量が増えており、新年度の定期昇給をいわば一斉に前倒しした」と説明している。決定は、町長の裁量範囲という。

 公務員給与については、民間の給与水準との格差是正のため国が引き下げの方針を示しており、人事院勧告に伴って全国の各自治体が給与引き下げの条例改正をしている。同町でも昨年十一月、月額0・36%減給の条例改正を行ったばかり。

 また国家公務員の場合は、特別昇給の対象者は一年間に職員定数の15%以内にとどめることになっており、地方公務員もこれに準拠するとされ、総務省給与能率推進室は「国にないような制度で支払われるべきではない」としている。

 また県は「全員一斉に昇給というのは聞いたことがない。取り扱いについて再検討するように強く指導した」としている。

 原発が立地する大飯町は財政が比較的豊かで、地方交付税の不交付団体。一方、国家公務員の給与を100とした「ラスパイレス指数」は、全国の町村平均93・7を下回る91・4(二○○五年四月)となっている。

 時岡町長は「仕事量が多いのに給与は低く、ずっと引き上げようと思っていた。三月三日の名田庄村との合併に向けて数カ月で特に仕事も増え、辛抱させるのは忍びない」と話している。

関連記事
あわせて読みたい