再稼働への準備が進む高浜原発3、4号機=24日、福井県高浜町

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた仮処分が取り消されたことで、関電は2基の再稼働に向けた準備を本格化させ、25日に3号機の燃料装荷作業に着手。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装荷し、使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムを燃やす「プルサーマル発電」も再開させる予定だ。電力業界では、高浜での動きが他原発の早期再稼働の追い風になると期待が高まっている。

 東京電力福島第1原発事故後、MOX燃料を装荷した原発が再稼働するのは国内で初めて。3、4号機はそれぞれ2012年2月、11年7月に運転を停止後、定期検査で燃料を取り出しており、装荷はそれ以来となる。

 2基は現在、再稼働前の最終手続きとなる原子力規制委員会の使用前検査中。3号機は、原子炉に157体の燃料集合体を入れて、1月下旬に原子炉を起動し、2月下旬に営業運転を始める。4号機は、1月下旬に燃料装荷、2月下旬に原子炉起動し、3月下旬に営業運転に入る見通しだ。

 関電が再稼働を急ぎたい背景には、原発停止による火力燃料費の急増に伴う経営環境の悪化がある。12年3月期から4年連続で連結純損益は赤字となり、八木誠社長は「5年連続の赤字は何としても避けたい」と訴えてきた。

 関電の幹部は「高浜2基が動くことで、大きな波及効果が生まれる」と話し、早くも“高浜の次”に照準を合わせる。

 八木社長は11月、定例記者会見で「大飯3、4号機の規制委による審査も、大半は完了している」と述べ、早期の再稼働に期待をにじませた。大飯3、4号機は出力各118万キロワットと、関電が持つ全原発の中で最大。両方動けば、1カ月当たり170億円程度収益が改善すると、そろばんをはじく。

 一方、電力業界は政府の温室効果ガス削減目標の達成に向け、30年度に13年度比で35%の温室ガス削減の自主目標をつくった。原発は発電時に二酸化炭素(CO2)を出さず、再稼働が増えれば負担を抑えながら目標の達成ができる。エネルギー関係者は「国際的な公約である削減目標の実現には原発が不可欠」と強調した。

 プルサーマル計画についても電気事業連合会は「核燃料サイクルの推進は国の基本方針であり、資源の有効利用の観点から重要」とする。関電のMOX燃料は、高浜3号機で過去に一度燃やした8体と新燃料16体の計24体を装荷。4号機は新燃料4体を初めて装荷する計画だ。

 電事連は本年度までに全国の16〜18基でプルサーマルを導入する目標だったが、福島事故前の時点で実施は高浜3号機など4基のみ。11月には再処理工場(青森県)の完成時期の延期に伴い、計画の目標時期を先送りする方針を示した。使用済みMOX燃料の処理方法が定まっていないなど課題も多い。

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