「子どもたちは自分で考える力をつけてほしい」と話す堀真一郎学園長=福井県勝山市

 石川県との県境に近い福井県勝山市北谷町河合(こうごう)の私立「かつやま子どもの村中学校」が、今年で創立15周年を迎えた。宿題やテストは一切なく、「プロジェクト」と呼ばれる体験学習に重きを置くスタイルを貫いている。生徒たちは「何でも一から自分たちで考え、みんなで成し遂げる。それが楽しい」と口をそろえる。元大阪市立大教授の堀真一郎学園長に取り組みを聞いた。

 —かつやま子どもの村小中学校は、手を使って考える授業を展開していた英国の先進的なスクールをモデルにしている。これまでの取り組みを振り返って感想は。

 最初は問題を起こした子どもや不登校の子を預かる学校と思っていた人もいたと思うが、それはなくなったと感じている。と同時に、うちのような体験学習を主にした学校をつくりたいと、この1年だけで4件の相談を受けている。今後は、同じ思いを持つ人と横のつながりを大事にしていきたい。

 —不登校生の受け皿として「フリースクール」が注目されている。

 私たちの学校はフリースクールではないが、今後も不登校の子どもは増えると思う。子どもたちは普段の学校で気楽にのんびり過ごせず、したいことができずにいる。家庭ではまず、しんどい気持ちを共感してあげてほしい。

 —福井県は小中学生の学力は全国トップレベルだが、真の学力とは。

 自分で問題を見つけ、仮説をたて、自分で確かめるというのが一番大事な学力の付け方。獲得した知識の量で、学力を測ってはいけないと思う。子どもたちに自分で考える力を付ける授業を、先生がさせてもらっているのだろうか。何をどのように教えるという裁量権をたくさん与えた方がいい。

■かつやま子どもの村中学校

  「自由な学校」を目指してつくられた和歌山県の「きのくに子どもの村学園」の姉妹校として1998年4月、休校していた旧北谷小校舎を活用して小学校が開校。2001年に同校舎2階に中学校ができた。学園長・校長は勝山市野向町出身で、元大阪市立大教授の堀真一郎さん。中学校はこれまでに約130人の卒業生を送り出している。

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