コウノトリの繁殖で専門家の意見を聞いた検討会=19日、福井県若狭町鳥羽公民館

 福井県越前市白山地区で飼育している国の特別天然記念物コウノトリについて県は19日、繁殖検討会を同県若狭町鳥羽公民館で開いた。来年度以降も福井生まれのコウノトリの放鳥を目指す方針を踏まえ、飼育中のペアが有精卵を産むための改善点を専門家と話し合った。無精卵の場合は、他ペアの卵を温めさせる托卵(たくらん)を行う方針もあらためて示した。

 飼育に当たる県、越前市の担当者が、繁殖の刺激になるとされている生き餌のやり方や羽を切るタイミングなどを質問した。兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)の船越稔・主任飼育員は「郷公園では通年で生き餌を与えており、餌全体の2割を目安にしている」「羽切りは(来年)1月中なら繁殖に影響はない」と答えた。

 托卵について県は、コウノトリの飼育繁殖や野生復帰に取り組む全国の施設、自治体でつくる「IPPM(コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル)」に有精卵の提供を申し入れている。IPPM事務局長で井の頭自然文化園(東京)の大橋直哉・教育普及係長は、遺伝的な多様性を重視した上で、時期などを踏まえて提供する卵を決める考えを強調した。

 県が2011年から飼育している雄の「ふっくん」、雌の「さっちゃん」ペアは、13年から3年連続で産卵したが、全て無精卵だった。14年は托卵によって3羽のひなが誕生し、このうち2羽が今年10月に放鳥された。

 検討会に続き、コウノトリをシンボルにした地域づくりに取り組む越前市、小浜市、若狭町の住民団体、行政職員の情報交換会を開いた。1971年に白山地区でくちばしの折れたコウノトリ「コウちゃん」の捕獲に当たった日本鳥類保護連盟顧問の林武雄さん(越前市)が講演した。

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