佐野温泉=6月、福井市佐野町

 自己破産した佐野温泉(福井市佐野町)の土地、建物と温泉に関する権利が18日、ハッピーコーポレーション(福井市開発4丁目)に売却されたことが分かった。同社は同温泉の受け皿として、地域にゆかりのある個人が出資し、12月に設立された株式会社。取得した本館、別館を利用し、温泉事業の再開を目指していく方針。

 佐野温泉の破産管財人の森口功一弁護士によると、同温泉はことし6月30日の事業停止後、7月14日に福井地裁に自己破産を申請。同16日に手続き開始決定を受けた。

 その後、入札や内覧会などを経て12月18日、ハッピー社と売買契約を結び、施設の引き渡しも済ませた。売却額は非公表。来年1月に福井地裁で第2回債権者集会を開く。債権者数は金融機関など約130社・人で、負債額は約2億4千万円という。

 ハッピー社の代理人の吉川奈奈弁護士は、同社を「優れた泉質で全国的にも知られた佐野温泉の源泉を存続し、温泉施設を経営するために新たに設立した会社」と説明。ただ今後行う事業の具体的内容や温泉の再開時期については、今のところ未定という。同社関係者は「できるだけ早く開業できれば」と話している。

 佐野温泉は1977年3月創業の砂利風呂などで知られた温泉旅館。帝国データバンク福井支店によると、93年10月期には約5億5600万円の売り上げがあったが、近年は施設の老朽化などから客足が伸び悩み、2014年10月期は約1億5200万円まで落ち込んだ。

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