MRJのエンジン部品に採用されている炭素繊維を手にするSHINDOの土屋課長(右)ら開発担当者=福井県あわら市の同社本社

 国産初のジェット旅客機として初飛行を成功させた三菱航空機のMRJ(三菱リージョナルジェット)のエンジン部品に、繊維資材製造のSHINDO(本社福井県あわら市伊井、新道忠志CEO)の炭素繊維が使われている。日本のものづくり力を示す“悲願”に加わった同社の担当者は「これまでの開発努力が、ようやく報われ始めた」と喜ぶとともにMRJの量産化や次の開発に向け、気持ちを新たにしている。

 同社の炭素繊維が採用されているのは、翼の下に付いているエンジンの前部で空気を取り込むファンケースの部分。鳥を吸い込む「バードストライク」などからブレード(羽根)を守る重要な部品で、障害物による衝撃への強度に加えて機体の軽量化も同時に求められる。

 同社は全国的に珍しい「多軸挿入編み機」を使い、シート状の炭素繊維を製造。縦、横、斜めの一定方向に炭素繊維を並べて重ね合わせ、衣料用にも使われる合成繊維で縫い込む。成形しやすく強度に優れているのが特長で、このシートをIHI(東京)のグループ会社が重ね合わせて樹脂で焼き固め、硬い炭素繊維複合材料(CFRP)にする。従来のファンケースはチタンやアルミニウムが主流だが、CFRPはアルミより軽くて5〜6倍の強度があるという。

 同社が素材供給した円筒状のファンケースは、火薬を使った衝撃試験などを繰り返して安全性を確認。約100万点の部品で構成されるMRJの初飛行の“一翼”を担った。

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